中学校に勤務する50歳代の長男が申請した介護休暇が認められず、自身の病状が悪化したとして、鹿児島市内の女性(84)が県に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、鹿児島地裁(玉本恵美子裁判官)で開かれた。県側は「休暇申請の拒否と病状の悪化に因果関係はない」と反論する答弁書を陳述、棄却を求め全面的に争う姿勢を示した。
訴状によると、女性は2004年8月に脳卒中で倒れ要介護4と判定された。中学教諭の長男は、介護休暇を繰り返し申請したが拒否され、鹿児島市内から離島に異動を強要された。長男は転勤に応じ、女性は長女に預けられたが、環境の違いなどで病状が悪化。要介護度も5になった。申請拒否は育児・介護休業法違反に当たると訴えている。県側は答弁書で「異動の強要はしていない」と主張した。
=2008/05/10付 西日本新聞朝刊=