来日中の中国の胡錦濤国家主席は10日午前、奈良県を訪れ、中国ゆかりの法隆寺や唐招提寺を視察した。唐の都長安を参考にしたとされる平城宮跡にも足を運び、雨の降る中、日中の交流の歴史を今の世に伝える古都の風情を味わった。
遣隋使を派遣した聖徳太子建立の法隆寺では、大野玄妙管長から、世界最古の木造建築の説明を受けると、胡主席は「両国国民が仲良く平和であればいいですね。(法隆寺は)両国交流の結晶です」と語った。唐代の高僧鑑真が建てた唐招提寺では失明しながらも宿願の渡日を果たした鑑真をしのび、墓所で拝礼。平城宮跡では復元された朱雀門などを観賞した。
唐招提寺到着前には、駐車場で約20人がチベットの旗や「FREE TIBET(チベット解放)」と書かれた横断幕を掲げたが、特に混乱はなかった。(13:46)