「韓国政府にお願い、海外養子を禁止しないで」(下)
米豪の海外養子関係者、保健福祉家族部に要請
今年3月、米アイオワ州で養父に殺害された韓国人養子の4人兄弟を追悼するため、韓国に設けられた焼香所を訪れた金聖二(キム・ソンイ)保健福祉家族部長官の発言が誤解され、「韓国政府が海外養子を禁止する」といううわさが広がった。金長官は「韓国国内での養子縁組を積極的に進めていく方策を検討していく」と発言したが、海外養子の関係機関にはこれが「海外養子を禁止する」と解釈されてしまったのだ。この情報は米国など国外にも伝えられた。
その後、同部の海外養子担当部署である「児童・青少年福祉課」には外国政府関係者の訪問が相次いだ。先月初め、在韓米国大使館の領事が同部を訪れ、「韓国が海外養子を禁止するというのは本当か」と尋ねた。これに対し担当者は「実の父母が育てられなくなった子どもたちを、できるだけ韓国国内で養子縁組させるという趣旨だ」と答えた。
領事はこれに対し、「望ましい政策だと思う。だが、韓国で養父母が見つからない子どもたちがいれば、米国でもすばらしい資質を持った養父母がたくさんいるため、海外養子も一つの選択肢になるようにしてほしい。養子にとって何よりも大事なことは、すばらしい養父母に出会うということだ」と述べた。その後、今月1日にはオーストラリア政府の養子担当者が同部を訪れ、同じような要請をした。
同部は1988年のソウル五輪当時、韓国が「孤児輸出国」であるとして、国際的に問題になったときから、「国内での養子縁組をできる限り奨励し、海外養子は減らしていく」という方針を打ち出してきた。これは何も、海外養子を禁止するというものではない。だが、国内での養子縁組を奨励するという韓国政府の一部の政策は、海外養子の関係機関の間では「海外養子を抑制する政策」と受け止められてきた。
仮に海外へ養子に出す場合でも、その前に少なくとも5カ月間は、国内で養父母を探すようにするという制度がその例だ。この制度によって、2007年には史上初めて、国内での養子縁組の件数が、海外へ養子に出した件数を上回った。それまでは毎年養子に出される約3000人の子どものうち、半分以上が海外へ養子に出された。
崔源錫(チェ・ウォンソク)記者
李智恵(イ・ジヘ)記者
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