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胡主席、奈良訪問 日中ゆかりの唐招提寺など

2008年05月10日13時04分

 来日中の中国の胡錦濤(フー・チンタオ)・国家主席は10日、奈良県を訪れた。中国とゆかりが深い唐招提寺や、世界最古の木造建築の法隆寺などを視察。日中の歴史的なつながりの深さを再確認することで、未来志向の友好を演出した形だ。県警は訪問先の寺の一般拝観を一時制限するなど、警官3千人で厳戒態勢を敷いた。

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法隆寺を訪れた中国の胡錦濤国家主席=10日午前、奈良県斑鳩町、森井英二郎撮影

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法隆寺に到着し、出迎えた大野玄妙管長(右)と握手を交わす中国の胡錦濤国家主席=10日午前、奈良県斑鳩町、溝脇正撮影

 同県斑鳩町の法隆寺では、大野玄妙管長や荒井正吾知事が出迎え、金堂や五重塔などについて説明。唐招提寺では、苦難の末に日本に渡って同寺を開き、戒律を伝えた鑑真の座像に拝礼した。胡主席は友好のしるしとして同寺に遣唐使船の模型を贈った。

 長野市で4月下旬にあった北京五輪聖火リレーの混乱後、両寺には、チベット問題を指摘して主席訪問を断るよう求める電話やファクスなどが相次いだ。来県の同時刻ごろ、地元僧侶の有志は奈良市内の寺でチベット犠牲者の追悼法要を営んだ。

 胡主席は午後、大阪府門真市の松下電器産業本社を視察。大阪(伊丹)空港から帰国予定。

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