HOME> 本誌連動インタビュー「FIELD」スペシャル版!
記者 | 今シーズン、試合に出場すれば活躍が目立っていますね。 |
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永井 | 今シーズンでプロ8年目になりますが、J1の舞台でこれだけ試合に出られるのは初めての経験ですし、すごく充実しています。 |
記者 | J2の水戸に期限付き移籍していましたが、水戸での2シーズンの経験は。 |
永井 | 04年、柏でなかなか試合に出られなかったときに、J2の水戸から声をかけてもらいました。 決して腐ってはいなかったし、試合に出ればやれる自信はあったけど、なかなかチャンスがなくて、移籍を決めました。 水戸でコンスタントに試合に出られた経験がホントに自分にとっては大きかったですね。 「自分が引っ張っていかなきゃ」という思いも出てきたし、チームもいい戦いができるようになってきた時期で、自分の持ち味を出しながら、のびのびプレーできました。 それが今につながっていると思っています。 |
記者 | そして再び柏に戻ってきました。 |
永井 | 昨シーズン、石崎(信弘)監督の就任と同時に柏に戻ってきましたが、石崎監督のサッカーは前からボールを奪いに行くサッカー。 常に動いてバランスを取らないと、どんどん崩れていってしまいます。 周りを見ないで個人プレーに走ると、それこそボールを奪われたときにピンチになりますから、うまく周りを使わないといけません。 ただ、やることがはっきりしているし、軸がブレないので選手としてもやりやすい。 チーム全体が共通意識を持ってプレーできています。 相当な運動量が求められるのは、キツいですけどね(笑)。 |
記者 | 柏の練習はきついと評判ですね。 |
永井 |
確かにきついですが、高校時代(市立船橋高)のほうが堪えましたね。 あの頃はまだスタミナもなかったですから。 |
記者 | 高校時代といえば、2年生のときに選手権で優勝を経験しています。 |
永井 | 貴重な経験をさせてもらいましたね。 ただ、同年代はすでにJ1でも第一線で活躍している選手が多いですから、負けてられませんね。 |
記者 | 永井選手も、今季すでに14試合に出場しています(30節終了時点)。 |
永井 |
今季はベンチに入るか入らないかから始まって、徐々にベンチに入ることが多くなりました。 いつ出ても良いように準備をしていたから、モチベーションは常に高かったですね。 J2とJ1はレベルが違うと思っていたし、その中で今は思うようなプレーができていることは、自信になります。 |
記者 | 柏はボランチを2枚にしていますが、試合によってコンビを組む相手が異なることでプレースタイルを変えているように見えます。 |
永井 | アルセウと組むときは、自分が下がり目でバランスを取るようにしています。 自分も本当は攻め上がりたいんですけど「まずは失点をしないように」と心掛けてますね。 山根(巌)さんの場合はコミュニケーションを取りやすいので、どちらが前、後ろではなく臨機応変に対応できています。 |
記者 | 自信の持ち味は。 |
永井 | 自分の売りはサイドチェンジ。 視野の広さが自分の持ち味だと思いますから、広い展開を心掛けています。 石崎監督からも「単純に下げるようなプレーは好きじゃない」と言われているので、なるべく攻撃的なパスを、という意識は持っています。 |
記者 | 今季、J2から上がったばかりのチームが6位と躍進しています。 |
永井 | 調子の良い時期は戦術がはまってましたが、今季後半は、他チームから研究されて難しい試合が多くなっていますね。 わざと引かれたり、中盤を省略してロングボールを蹴ってこられると、ウチにとっては苦しくなる。 引いた相手を崩すために、サイドを起点にすることを特に意識しています。 サイドハーフがゴールに向かって斜めに走ることで、空いたスペースにサイドバックが上がる。 サイドバックが高い位置を取ることでサイドで数的有利の場面を作り出すという狙いです。 そのためにもボランチとしてはサイドチェンジが重要になってくる。 1本いいサイドチェンジができると質の高い攻撃が生まれます。 まさにそのサイドチェンジを見てほしいですね。それが自分の仕事だと思ってますから。 |
記者 | ここにきて連敗が続いていますが原因は何でしょう。 |
永井 |
早い時間で失点してしまったり、先制できなくなっている。 良いときは先制できてましたから。 運が悪いところもありますが、やっていることは悪くはないと思います。 最後に体を張るところで張れていないということでしょう。 ここから上に行くには、こういう苦しい時期に勝てないといけない。 強いチームはこういうときにも立て直して勝ちますからね。 個人の力では浦和やG大阪と比べれば勝てないけど、個人でできることばかりではないから。 ウチは全員サッカーで上を目指します。 |
記者 | 今季残りわずかです。個人の目標は。 |
永井 |
ゴールがほしいです。 もちろん、まずは試合に出ることが前提ですね。 ウチのボランチはそれぞれ特性をもった良い選手がそろってますが、自分も他の選手に持っていない特徴を持っている。 試合に出ればやれる自信はあります。 準備はいつでもできていますね。 視野の広さが武器なので、長短どこにでも散らすパスで攻撃のリズムを生み出すことで勝利に貢献していきたいと思ってます。 |
記者 | では将来の目標は。 |
永井 | サッカー選手である以上、日本代表はずっと目標です。 父も日本代表でしたが、サッカーの影響は全くなかったですね。 父の現役時代は全然知りませんし、父から話すこともありませんでした。 なぜなんでしょう(笑)。 ただ、最近になって周りからの話を聞いたり、今の代表選手とJ1でプレーする中で、父ちゃんのすごさがだんだん分かってきました。 |
記者 | マンガの主人公のモデル(『赤き血のイレブン』の玉井)となったお父様に負けず、父子そろってマンガの主人公、なんてことになれば素晴らしいですね。 |
永井 | ……。 難しいですね。 でも、目指すところは高いほうが良いですから。 だからといって気負いすることなく、これまでどおり肩の力を抜いて頑張りますよ。 一歩一歩、自分のペースで。 |
ながい・しゅんた/1982年7月12日生まれ。東京都出身。
市立船橋高校時代には選手権優勝を経験。3年時にはキャプテンとしてチームを引っ張った。
柏に加入した01年にはU-20代表にも選出された。
出場機会を求めて04年途中から2シーズン、J2の水戸でプレー。06年、柏に戻りJ1昇格に貢献した。今季、13試合に先発出場。守備のバランスを取りながらも、突出したセンスと正確なパスで、中盤の底からチャンスメイクを狙う。
175cm、66kg。
Shunta’s WORDS
意外にもJ1でのゴールは未経験。「フリーキックも含めてかなり狙ってるんですけどね。決まりません」と笑って話す。
29節大分戦では、“らしい”技ありのループシュートを放ったが惜しくもGKにはじかれた。
「あそこで決められるか決められないか。まだ何かが足りないんですね。今季あとわずかですが、必ずゴールしますよ」と約束してくれた。
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