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【胡錦濤訪日日記】法隆寺など訪問「両国人民は仲良く平和であればよい」
10日午前、奈良県入り。遣隋使を派遣した聖徳太子ゆかりの法隆寺(斑鳩町)や唐の僧侶・鑑真が開いた唐招提寺(奈良市)などを訪問した。あいにくの雨模様となり、チベット問題などで厳しい対中感情もあったが、両国の長い交流などを背景に、友好ムードの盛り上げをはかった。
胡主席は午前9時50分ごろ、専用車でまず法隆寺へ。南大門前で同寺の大野玄妙管長や冬柴鉄三国土交通相らの出迎えを受けた。
大野管長から聖徳太子の遣隋使派遣など日中交流史について説明を受け、「やはり両国の人民は仲良く平和であればいいですね」と話した。また、平成5年に日本で初めて世界遺産登録された同寺の金堂や五重塔、釈迦三尊像、薬師如来坐像(ざぞう)などの国宝を視察。大野管長の説明に興味深そうに耳を傾けた。
一方、唐招提寺には同10時40分ごろ到着。松浦俊海・同寺長老らの案内を受け、唐からの渡航に何度も失敗しながら日本にたどり着き、仏教の戒律を伝えた鑑真を祭る「御廟(ごびょう)」などを参拝した。
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胡錦涛主席の来県に合わせ、奈良県内でもチベット問題に関する反対派市民の抗議活動などがみられた。
胡主席が訪れた奈良市の唐招提寺では、訪問に合わせて数十人が駐車場に集まり、チベットの旗を振るなどしながら「フリーチベット」などと訴えた。
また、同市の十輪院(橋本純信住職)では午前11時から、チベットの仏教弾圧の犠牲者に対する追悼法要を営み、同寺の僧侶ら約10人が、本堂で読経した。