来日中の中国の胡錦濤国家主席は10日午前、奈良県を訪れ、法隆寺などを視察した。日中の交流の歴史を刻んだ古都の寺院を参観することで、両国の文化的なつながりを共有し、日中友好の必要性を改めて強調する狙いがあるとみられる。
遣隋使を派遣した聖徳太子建立の法隆寺では、国宝の釈迦三尊像や薬師如来坐像などを鑑賞。世界遺産に登録されている最古の木造建築物の説明を受けながら、境内を回った。唐代の高僧鑑真が建てた唐招提寺では、失明しながらも宿願の渡日を果たした鑑真をしのび、焼香。平城宮跡にも足を運び、復元された朱雀門などを視察する。
この後、胡主席は奈良県の荒井正吾知事と会談。大阪に戻り、松下電器産業本社を視察後、5日間の公式日程を終えて帰国の途に就く。(11:35)