全日空(ANA)が4月に国内線の一部に導入した上級座席「プレミアムクラス」を巡り、複数の利用者から同社に「シートの仕様が宣伝と違う」との苦情や問い合わせが寄せられていたことが分かった。座席間隔を広げるなどのサービスを先に行い、新シートへの交換は6月以降に予定していたためで、同社は2日、ホームページ(HP)に、機種ごとのシート改修時期などについて説明を掲載した。
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プレミアムクラスはこれまでの「スーパーシートプレミアム」を発展させ、国内51路線で導入した。座席の前後の間隔を約30センチ広げ、軽食・酒類を充実させるなどし、最高7000円の追加料金で利用できる。俳優の三國連太郎さん、佐藤浩市さん父子を起用したCMやポスターが話題を集めたが、サービス開始後「実際のシートが宣伝と違う」との声が約10件寄せられた。
新シートは隣席から顔を見られないような形状になっているのが特徴で、後頭部にあるクッションの位置を変えられる可動式ヘッドレストや、機種によっては自由に向きを変えられる小型ライトが付いている。6月から来年初めにかけて順次切り替えるが、CMやポスターでは切り替えの時期についての説明がなく、HPに「座席の形状は機種によって若干異なります」との注意書きがあっただけだった。
ANAは2日、新シートの導入時期に関する説明のほか、現在使われているシートの形状を示す写真をHPに掲載した。同社広報室は「プレミアムクラスは座席間隔やもてなしを含めた総合的な質の高さを目指すサービスだが、シートの違いについては説明不足もあり、より丁寧な説明が必要だと考えた」と話している。【窪田弘由記】
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