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2008年5月10日

 来日した国賓の晩餐会(ばんさんかい)や午餐会のメニューやワインの銘柄までが詳細に報道されるようになったのは、昭和50年前後からだったと記憶する

1979(昭和54)年、日本が初の議長国となってのサミットが開かれ、迎賓館で午餐会が持たれた。記録によると、東京吉兆が担当してゴボウをウナギで包んだ八幡巻きやアユの塩焼きが入っている

八幡巻きとアユの塩焼きと聞けば、船場吉兆の「食べ残し」問題を思い浮かべた人もいよう。今回と同じ料理が見られるからだ。が、29年前の東京吉兆のメニューはサッチャー氏やカーター氏ら各国首脳を満足させた

食べ残しなどはなかったに違いない。東京吉兆は大阪の船場吉兆とは別組織だから、もちろん今回の騒動は関係しないが、同じ「吉兆」グループとして、これほどの迷惑はなかろう

先日、金沢で「大阪学」の講演があり、帝塚山学院大元学長の大谷晃一氏が大阪人の行動は「善悪より損得」が基準と話していたが、船場吉兆の「もったいない」発言は「善悪より損得」の大阪精神とは別次元だ。大阪人は、えらい迷惑をしているに違いない。


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