2008年5月9日 19時49分更新
2つのハンセン病療養所がある瀬戸内市の長島に橋がかかってからことしで20年を迎え、9日、現地で記念式典が開かれました。
2つのハンセン病療養所がある瀬戸内市の長島にかかる「邑久長島大橋」は、昭和63年5月9日に開通しました。
長年にわたって島に隔離されたハンセン病の元患者にとって橋の建設は悲願とされ、「人間回復の橋」とも呼ばれました。
橋の完成からちょうど20年を迎えた9日、ハンセン病療養所の1つ「邑久光明園」で記念式典が開かれ、療養所の入所者や岡山県知事など120人が出席しました。
はじめに邑久光明園の入所者自治会の屋猛司会長が「橋ができて20年が経ち入所者の平均年齢は80歳を超えていますが、社会復帰を目指すとともに地域に開かれた療養所にしていきたい」と述べました。
また、牧野正直園長が「ハンセン病に対する差別や偏見の解消のため今後も橋を通した交流を進めていきたい」とあいさつしました。式典では最後に出席者たちが風船を空に飛ばして20周年を祝いました。
式典に出席した入所者の1人は「橋の完成から20年を迎えることができて感慨無量です。橋は私たちにとって社会との懸け橋となっている大切な橋で、今後も地域の人たちとの交流を進めたいです」と話していました。