ワシントン(AP) 米国の1セントと5セント硬貨の鋳造費用が、金属の高騰に伴って額面を超えているため、米造幣局が合金の合成比を変更する方針を固めた。米財務省が法案を提出し、議会で審議する。
鋳造費用は現在、1セント硬貨が1.26セント、5セント硬貨が7.7セントとなっている。
使っている合金は、1セント硬貨が亜鉛97.5%、銅2.5%、5セント硬貨が銅75%、ニッケル25%となっている。
しかし、2003年以来、銅とニッケルの価格が3倍に高騰し、鋳造価格が額面を上回ってしまった。
議員からは、硬貨で使う金属の合成比を変えるよりも、1セント硬貨を廃止したらどうかいった声も上がっている。
しかし、硬貨の廃止は政治的に得策ではないと指摘する意見が多く、1セント硬貨は今後も鋳造される見込み。
米国では2007年、1セント硬貨が74億枚、5セント硬貨が12億枚、鋳造された。
これ以外の硬貨はいずれも鋳造費用が額面を上回っておらず、それぞれ10セント硬貨がが4セント、25セント硬貨が10セント、1ドル硬貨が16セントとなっている。