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損賠訴訟:検査勧めず死亡、病院に賠償命令 福島地裁

 がんの一種である脂肪肉腫で死亡した東京都葛飾区の男性(当時33歳)の遺族が、早期治療を怠ったなどとして、福島県白河市の白河厚生総合病院を運営する福島県厚生農業協同組合連合会(JA福島厚生連)に約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、福島地裁であった。森高重久裁判長は「検査や治療の必要性について説明義務違反があった」として、約8200万円の支払いを命じた。

 判決によると、病院は97年11月に見つかった右足の腫瘍(しゅよう)を良性と診断。01年に悪性と判明した際には首に転移し、04年2月に死亡した。判決は、右足の腫瘍が増大した00年に病院が悪性を疑い、検査や手術を勧めるべきだったのに十分な説明を怠ったと判断。「適切な治療を受けていれば、生存の可能性や相当程度回復していた可能性が高い」とした。

 厚生連は「診断は妥当だった」と控訴を検討している。【今井美津子】

毎日新聞 2008年5月9日 22時25分

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