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連載企画「闘う臨床医」(6)地域が「医療」を守る 兵庫県立柏原病院の試み (2/3ページ)

2008.5.9 23:50

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 地域住民が病院の窮地を具体的に知ったのは、地元紙の記事だった。子育て中の母親7人による座談会が開かれ、昨年4月に地域医療の崩壊を防ぐ「県立柏原病院の小児科を守る会」が結成された。

 記事を書いた地元紙「丹波新聞」の足立智和記者(34)は「過酷な医療の現状を知り、診てもらって当然との意識を変えることが大事」と話す。

 県知事に小児科医の派遣を要請する署名活動も始まり、2カ月足らずで約5万5000人分が集まった。しかし県の対応は「他の地域も厳しい」と意外にも冷たかった。「行政に頼らず、自分たちで動くべきだ」。守る会事務局の岩崎文香さん(34)はメンバーにこう呼び掛けた。

 「こどもを守ろう。お医者さんを守ろう」と安易な受診を控えるチラシを配り、症状を見極めて受診の目安となる冊子も作成した。医師への感謝の気持ちを込めて、病院の草刈りを手伝ったり、お世話になった医師らに年賀状や寄せ書きも贈ったりした。

 「病院は地域の財産。医師にとって働きがいのある場所にしたかった」。守る会代表の丹生裕子さん(36)は活動の趣旨をこう説明する。

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