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失われた「情」 リアルにみせる 舞台「瞼の母」演出 渡辺えりさんインタビュー (3/4ページ)

2008.5.8 16:38
このニュースのトピックス伝統芸能
「演出だけするのも、リアリズムの演出をするのも初めてで、自分にとっても冒険」と話す演出家の渡辺えり=5月2日、東京・世田谷の世田谷パブリックシアター(小野淳一撮影)「演出だけするのも、リアリズムの演出をするのも初めてで、自分にとっても冒険」と話す演出家の渡辺えり=5月2日、東京・世田谷の世田谷パブリックシアター(小野淳一撮影)

 都内では先月の「刺青奇偶(いれずみちょうはん)」(歌舞伎座)に続き、今月も長谷川の代表作「一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)」(新橋演舞場)が上演中。発表から78年を経ても、観客の心をとらえる長谷川作品の魅力を渡辺は「情ですよ。個の時代に、情がなくなっているからこそ、みな情を欲している」と強調した。

 渡辺の話は、演劇にとどまらず文明論に広がる内容だった。演劇を通じてみえる現代への危機感−。「何とか世の中を変えたいという思いがあります。もっと情があっていいんじゃないかって」。だからこそ今、長谷川作品にメッセージを込める。(文:飯塚友子/撮影:小野淳一/SANKEI EXPRESS)

       ◇

 ■瞼の母 1931(昭和6)年初演の長谷川伸の代表作。5歳で生き別れた母を慕う渡世人・番場の忠太郎は、江戸で母・おはまを探し当てる。しかし今は名料理屋「水熊」の女将(おかみ)となっているおはまは「財産目当て」と突き放す。「こう瞼の上下ぴったり合わせ、思い出しゃあ絵で描くように見えたものをわざわざ骨を折って消してしまった」の台詞を残し、母への思いを絶って旅路をゆく忠太郎をおはまは追うが…。

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「演出だけするのも、リアリズムの演出をするのも初めてで、自分にとっても冒険」と話す演出家の渡辺えり=5月2日、東京・世田谷の世田谷パブリックシアター(小野淳一撮影)
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