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「ベトの分も生きたい」と弟のドクさん
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ベトナム戦争中に米軍が散布した枯れ葉剤の影響とみられる結合双生児として生まれた「ベトちゃんとドクちゃん」のうち、6日に死去した兄グエン・ベトさん(26)の葬儀が7日、南部ホーチミン市内で行われた。
弟のドクさんは葬儀後「一つしかない臓器を自分がもらえたり、ベトが犠牲となってくれたから僕は生きていられる。とても感謝しており、ベトの分も生きていきたい」と静かに語った。
葬儀はベトさんが人生の大半を寝たきりの状態で過ごしたツーズー病院で行われ、1988年の兄弟の分離手術を担当した執刀医ら医療関係者や、同病院内の施設「平和村」で暮らす、枯れ葉剤被害認定を受けた先天性異常を持つ数十人の子どもらが参列した。
ドクさんは妻のテュエンさん(25)とともに終始、涙を浮かべ、ベトさんのひつぎが火葬される直前になると、正視するのを避けるように参列者の人波から一人離れ、悲しみをこらえるかのように目を伏せた。
平和村代表の医師グエン・ティ・フォン・タンさん(48)は「分離手術後は1週間の生命が限度と思っていた。結果的には19年と2日。ベトに病気を克服し、生きようとする意志があったからだと思う」とたたえた。(共同)