【社説】「韓国政府は外国企業を脅し、差別している」
ウォーウィック・モリス駐韓英国大使は16日、「外国人投資家は、民族主義を刺激する韓国政府関係者の発言やマスコミ報道に接すると、恐れをなして投資に二の足を踏む。外国企業は韓国の過度な民族主義を懸念している」と語った。
さらに同大使は、「韓国が北東アジア経済のハブになりたいなら、外国企業に投資を歓迎するという一貫したメッセージを送り続けるべきだが、韓国政府は時としてそれとは違う(否定的・非友好的な)メッセージを発している」と述べた。そして「韓国では外国企業を差別する傾向が強い。韓国に進出したい企業でも、歓迎されないと感じれば投資をためらうだろう」と付け加えた。
外国の大使が駐在国の政府に向かって正面から苦言を呈するのは簡単なことではない。今回の発言は、よく考え抜かれたものと見るべきだろう。ともすれば「ビジネスしやすい環境」や「外国資本の誘致」などといったスローガンを口にする政府が、なぜこんな指摘を受ける羽目になったのだろうか。
最近のローンスターの脱税騒動を機に、国税庁、公正取引委員会、監査院などが一斉に外国企業への攻撃に乗り出し、国会は外国企業への課税優遇措置を廃止し、基幹産業への進出を制限できるよう法改正を行うとした。与党院内代表は「ローンスターが“スター”になりつつあるが、“食い逃げ”は許さない」と脅しをかけた。外国企業が韓国を“恐れる”のも無理はない。
こんなことだから、経済副首相が「外国資本が分け隔てなく競争できる環境を作る」と言おうが、産業資源部長官が外国企業のCEOらに「規制をなくし、優遇措置も拡大する」と説明しようが、「韓国政府の言うことは信じられない」という声が聞かれるのだ。
ベトナム、シンガポールなどでは今年に入り相次いで外国資本ヘの優遇措置が発表された。外国資本の誘致に消極的だった日本も、外国人投資を今後5年間で2倍に増やすため、税法の改正を約束した。こんな状況にあって、外国の大使から「こんな調子で、北東アジアのハブになれると思っているのか」と叱責(しっせき)される韓国の現実は限りなく厳しい。
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