■コロニア ニッケイ社会 ニュース

■コロニアニュース

■ブラジル国内ニュース

■コラム

■企画

■会社案内

■リンク集

■トップページ


■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−11−活躍する海兵隊OB−日常は奉仕活動に励む

6月13日(木)

 ロスの後に連想する二字熟語。「疑惑」なら、それは日本人。韓国の人ならば、「暴動」だろう。
 今年で十年になる。九二年四月二十九日、ロサンセルスのダウンタウンで黒人の暴徒が放火や略奪を繰り広げた。五日間の騒ぎで死者は五十五人。千百以上の建物が炎上または崩壊した。そのほとんどが韓国系商店だった。
 「あのとき向こうの組織は銃を持って蜂起した」
 もし、ブラジルの韓国人街ボンレチロ区で同様の暴動があった場合は、「もちろん銃だ」
 独自の連絡網を有する。三十分もあれば、「すぐに八十人くらいは集まる体制を整えている」。周囲の空気がぴりっとした。
 語り手は、元韓国海兵隊協会ブラジル支部の面々だ。
 海軍の特殊最強部隊。陸海空とすべての訓練を受けたと誇る。「一人で百人を殺すのを目標に鍛えられたよ」
 肥満者でも骨になる、という。訓練の厳しさを物語る。だから強烈な誇りがある。
 「死ぬまで、いや天国までOB」とチョイ・サンスーさん(六一)は背広に輝く海兵隊のバッチをなでる。 
 南北戦争では屍(しかばね)の上を歩いた。その影響か、戦後は、海を渡り、人生の再スタートを切ったものも多い。だが、母国を離れても、なお同志との絆は生きている。全世界にOB会が存在する。
 ブラジルの会員は百二十人を数える。最年長者で七十八歳。若ければ、兵役を終えたばかりという、ほぼ現役の二十三歳も。
 「単にフォルテという見方をされることもあるが、同胞からは尊敬を受けているはず」と自負。
 協会では両国の友好に繋がれば、と現在、四人のOBを韓国に派遣中だ。サッカーのブラジル代表チームと、そのサポーターを物心両面から支援している。普段はボランティアに熱心で、養老院など福祉団体を慰問するかたわら、寄付にも励む。
 「協会の会長室にある香水散布機もうちで寄付した」とチョ・ナンホさん(四九)。
 みんな冗談好きだ。
別れ際に笑顔で「コロニアのあちこちにうちらの〃足跡〃がありますよ」
 その社会的影響力をユーモアたっぷりの言い回しで表現する。
 死の戦線にはジョークの一つも必要だったか、と思う。


■ブラジル・アリランの世界―韓国系コロニアは今―来年は移民40周年―朴大統領14人を初派遣

■ブラジル・アリランの世界―韓国系コロニアは今―2−多いインテリ移民―2度目のブームに沸く本国

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−3−10億ドル市場築く−ファッション界で展開中

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−4−中間層に洋服販売−ユダヤ・アラブから王座奪う

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−5−若い世代にしこり−移民≠ノ温かい母国民

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−6−伸び悩む伝統仏教−優勢なプロテスタント

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−7−親日家の詩人死去−民族文化啓もう続ける

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−8−東洋のサンバ&曹、−難しい民族文化の伝承

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−9−「人情」が生きる社会−新聞天国 美容・健康・レジャーに関心

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−10−おふくろの味キムチ−犬食の是非で侃諤論

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−11−活躍する海兵隊OB−日常は奉仕活動に励む

■ブラジル・アリランの世界―韓国系コロニアは今−12−協会会長は46歳―人口5.6万人ほとんど聖市在住

■ブラジル・アリランの世界−韓国系コロニアは今−13−世代間に意識の差−「礼節を知る」が一世の願い

Copyright 2002 Nikkey Shimbun (Jornal do Nikkey)