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著作権侵害事件
 
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■「Share」を使った公衆送信権侵害を初摘発
平成20年5月9日
 京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署、宇治署、田辺署は、平成20年5月9日、ファイル共有ソフト「Share」を通じて、テレビ放送されたアニメーションを権利者に無断でアップロードし送信できる状態にしていた、神奈川県川崎市の会社員男性A(34歳)、東京都日野市の会社員男性B(41歳)、広島県東広島市の大学生男性C(21歳)の3人を、著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで逮捕しました。
 ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害行為については、これまで「WinMX」、「Winny」のユーザーが逮捕されていますが、「Share」のユーザーが逮捕されたのは、今回が初めてです。
 ACCSなどが実施した「ファイル交換ソフト利用実態調査・クローリング調査」の結果から、昨年9月時点では、「Winny」では約26万4000ユーザーが、「Share」では約20万ユーザーが確認されていました。しかし、同調査に利用したソフトウェア「P2P FINDER」を提供する(株)クロスワープによると、今年頭頃から「Winny」ユーザーは減少する一方、「Share」ユーザーは増加する傾向にあるとのことです。

【事件概要:男性A】
 男性Aは、平成20年4月13日、(株)サンライズが著作権を有するテレビアニメーション「コードギアス 反逆のルルーシュ R2 第2話『日本 独立 計画』」を、ファイル共有ソフト「Share」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。
特徴 アニメーションを専門に、番組放送終了後、短時間で「Share」を通じてアップロードしていた。
期間 押収されたPCの検証から、過去2年間分のデータが見つかっている。
家宅捜索 自宅から、PC6台、HD14台、DVDレコーダー3台、モニター1台が押収された。
供述 「Share」を利用してテレビアニメーションを違法アップロードしていたことを自供している。
その他 男性は、大量にテレビアニメーションをアップロードしているとして、「2ちゃんねる」で話題となっていた。


【事件概要:男性B】
 男性Bは、平成20年4月1日、(株)サンライズが著作権を有するテレビアニメーション「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第25話『刹那』」を、ファイル共有ソフト「Share」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。
期間 男性は4年前から「Winny」を利用し始め、一時は「Share」と併用していたが、今年4月からは「Share」のみを利用していた。
家宅捜索 自宅から、PC4台、HD10台、DVDレコーダー1台が押収された。
供述 「Share」を利用してテレビアニメーションを違法アップロードしていたことを自供している。
その他 男性は、長期間に渡り、大量にテレビアニメーションをアップロードしているとして、「2ちゃんねる」で話題となっていた。


【事件概要:男性C】
 男性Cは、平成20年4月6日、(株)サンライズが著作権を有するテレビアニメーション「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー) 第25話『刹那』」を、ファイル共有ソフト「Share」を通じて権利者に無断でアップロードして不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できるようにし、著作権(公衆送信権)を侵害した疑いが持たれています。
家宅捜索 自宅から、PC3台、 HD3台が押収された。
動機 他の「Share」ユーザーが喜んでくれることがうれしかったため、テレビアニメーションのアップロードを続けていたと供述している。
その他 男性は、大量にテレビアニメーションをアップロードしているとして、「2ちゃんねる」で話題となっていた。
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■「ファイル交換ソフト利用実態調査」結果、ファイル交換ソフト事件関連一覧
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■ACCSは、Shareの利用をやめるよう強く求めます
 ACCSはこれまでも、Winnyユーザーによる著作権侵害行為が摘発されるたびに、Winnyをはじめとしたファイル共有ソフトの問題点を指摘し、安易に利用することがないよう、広く呼び掛けてきました。
 本日、3人のユーザーが摘発されたShare(シェア)についても、主として他人が権利を持つ著作物を無断で送受信する手段として悪用されていること、そのネットワークに参加しただけでも違法な送信行為に巻き込まれる可能性が高いことなど、ACCSがこれまで指摘してきたものと同様、以下のような問題が存在しています。
  • Shareは、ダウンロード(受信)されたファイルをそのままアップロードする機能を持つことから、Shareを通じて他人の著作物をダウンロードした利用者は、即時にアップロード行為者になります。
  • 更に、Shareには、他人がアップロードしたファイルの断片を自動的に受け取り、公開する機能があるために、そのネットワークに参加するだけでも、違法な送信を自ら行う可能性があります。
 WinnyやShareなどファイル共有ソフトの種類にかかわらず、そのネットワークを悪用した著作権侵害行為が引き続き蔓延するならば、今後も、著作権者やACCSをはじめとした著作権関連団体は、権利侵害行為には毅然と対峙していきます。
 ACCSは、安直な気持ちでファイル共有ソフトを利用しているユーザーの皆さんに対しては、今すぐその利用をやめるよう、強く求めます。