老舗料亭・船場吉兆(大阪市)の博多店(福岡市博多区)と天神店(同市中央区、現在は閉店)が客の食べ残しの食材(延べ9品目)を使い回していた問題で、具体的な手口が8日明らかになった。「アユ揚げ」は湯木正徳・前社長の指示で二度揚げされたほか、刺し身のツマはパート従業員が洗い、造り場(調理場)に持参していたという。博多店の河合元子店長は「鮮度が良いのは原則的に使い回していた。刺し身のツマについては店の多くの従業員が知っていた」と述べ、使い回しが常態化していた様子が浮かび上がった。
河合店長が8日、博多区保健福祉センターに提出した報告書によると、博多店の使い回しは99年3月のオープン直後から、閉店した天神店も同じく04年3月から行っていた。使い回した品目は、博多店が▽金時ニンジン▽ウド▽ボウフウ▽オオバ▽わさび▽刺し身▽アユのおどり場げの7品。天神店は金時ニンジンとボウフウの2品だったという。
報告書作成のため、博多店は辞めた店員も含めて聞き取り調査したという。河合店長は「実際に刺し身のツマを洗ったり、前社長の指示でアユを揚げ直すなどした人がいた」と話す一方、「私自身は見ていません」と関与していないことを強調した。今後の経営については「本社からの回答を待つのみです」と話した。【鈴木実穂】
2008年5月9日