リンは、生物に必要不可欠な物質ですが、あらゆる食物に含まれているため、特に気にせず摂取できます。リンは生体内では、エネルギー反応など行うATP(アデノシン三リン酸)や骨を形成するリン酸カルシウムなどに変化します。
リンは、ほとんどが海洋の中深層水や海底の堆積物にあります。中深層水のリンは海流で上昇し、食物連鎖により、プランクトンから魚・海鳥へ、そして陸上へ運ばれます。陸上のリンは河川など水の流れとともに、海洋へと循環します。
また海底の堆積物のリンは、地殻変動により地表に現れて、リン鉱石などで効率よく採取することができます。しかしリン鉱石は埋蔵量が少ないため、欧米では枯渇の危機感が大きく、一度利用したリンを再利用するリンの循環が必要となっています。
リン資源を効率よく利用するには、リン鉱石の鉱脈が必要ですが、日本にはありません。生体に必要不可欠なリンですが、日本では全てを輸入しています。輸入量も使用量も年々増えているため、環境中や下水道中のリンを回収して再資源化することが重要となっています。