ソフトバンクが中国の中国移動通信(チャイナモバイル)、英ボーダフォンと3社連合を組み、インターネット接続を前提にした携帯電話の世界基準作りに乗り出すことになった。3社で契約者が7億人に達するスケールメリットを背景に、魅力のあるサービスやコンテンツを持つ事業者を陣営に引き込むことで、世界規模の収益拡大を狙うのがソフトバンクの世界戦略といえる。
「3社連合のために、この1年半、黙々と準備してきた」。8日の会見でソフトバンクの孫正義社長は、こう明かした。孫社長は携帯電話を通話のための道具という以上に、インターネットに手軽に接続できる道具と位置づけている。今回の3社連合は、ソフトバンクが世界に飛躍するための秘策となる。
孫社長は3社連合の強みを「毎月7億人の契約者から確実に料金を徴収できる仕組みを持っていることだ」と強調する。パソコンからインターネットに接続する場合、サービスの支払いはクレジットカードで済ませることが多いが、未成年はカードを利用しにくい欠点がある。携帯ならば毎月の料金と一緒に徴収することができ、新たな事業展開が可能になる。孫社長は「事業者は7億人という数字を聞いただけで目の色が変わるはずだ」と期待する。
3社連合の具体的なビジネスモデルは来年の年明け前後に明らかになる見通しだ。【前川雅俊】
毎日新聞 2008年5月9日 0時30分