基地警備員退職/職安、パワハラ被害認定・雇用保険 即支給へ
在沖米海兵隊の日本人警備大隊に所属していた元基地従業員の安村司さん(41)が、上司の日本人男性からパワーハラスメントを受けたと訴えている問題で、沖縄公共職業安定所(ハローワーク沖縄)が、安村さんのパワハラの主張を認める形で雇用保険の支給を決定していたことが七日までに分かった。(粟国雄一郎)
安村さんは元上司に慰謝料を求める訴えを起こし、訴訟は那覇地裁で係争中。沖縄防衛局もパワハラを認めておらず、安村さんは本紙の取材に「国の第三者機関がパワハラを認めてくれたことは一歩前進。提出した資料から事実は明らかで、迅速に対応してくれた職安には感謝している」と話した。
安村さんはこれまで、上司から約九カ月間、仕事を与えられず、事務所の机に座っているよう命じられたり、七カ月間に計三回、配置転換を強いられたりしたと主張。雇用保険の申請では、パワハラで退職を余儀なくされたとして、同僚約百五十人分の署名や上司からの待機命令書、配置転換の際の人事通知書などを、職安に証拠として提出していた。
四日に受け取った通知では、離職理由が自主退職では通常認められない「給付制限のかからない自己都合退職」に分類されており、三カ月間の待機期間を待たずに保険の支給が決まった。職安に理由を確認したところ「特定受給資格者」として取り扱い「提出された書類や資料を参考に、パワハラを認めた」と答えたという。
職安は雇用保険の支給にあたり「上司、同僚等から故意の排斥または著しい冷遇もしくは嫌がらせを受けたことによって退職した者」などについて、再就職の準備をする時間的な余裕がなく、離職を余儀なくされた「特定受給資格者」と分類。保険の支給期間などを別枠に定めている。