来日中の中国の胡錦濤国家主席は8日夜、首相官邸で開かれた福田康夫首相夫妻主催の夕食会に出席した。胡主席は78年の日中平和友好条約以来30年の両国関係について「紆余曲折(うよきょくせつ)があったが、終始、友好協力の大方向に絶えず前進し、アジアと世界の平和安定に多大な貢献をした」と評価した。
福田首相はあいさつで、胡主席が10日に訪問予定の奈良・唐招提寺について「ギリシャから中国を経て日本で花咲いた文化の輝きをとどめている」と語り、両国の長い歴史的関係を紹介した。そのうえで胡主席自身が日中の青年交流にかかわってきた経緯に触れ「息の長い努力を続けていくことこそ、将来にわたり安定した日中関係を築いていくうえで不可欠だ」と述べ、長期的な視野で両国関係を構築していく決意を披露した。
夕食会のメニューは、和牛ステーキ、お造りなどの和食で、町村信孝官房長官や高村正彦外相ら約80人が参加。李香蘭として戦前の中国で映画女優として活躍した山口淑子元参院議員も出席した。【須藤孝】
毎日新聞 2008年5月8日 21時21分(最終更新 5月8日 22時31分)