民主党の赤松広隆衆院議員は党内の推進派議連(岡田克也会長)が議論を重ねている外国人参政権付与の法案について「白眞勲議員を中心にほぼ骨格ができた」と明らかにした。法案は、日本に5年以上住む永住外国人を対象に、地方政治への投票権を認める内容。被選挙権については見送る模様だ。
16日、東京の憲政記念館で開かれた「永住外国人の地方参政権を求める」集会で、民主党内の推進派は「5年以上居住の永住外国人に地方選挙での投票権付与」を骨子とする法案の取りまとめにかかっていることが明らかにされた。集会は在日本大韓民国青年会中央本部などが主催した。
集会で民主党の
赤松広隆衆議院議員(党選対委員長)は、党内の推進議連(岡田克也会長)がまとめている外国人参政権付与法案について、「白眞勲参議院議員(韓国籍から帰化)を中心にほぼ骨格ができた。永住外国人資格取得後5年以上の在住者を対象に、地方政治への投票権を認める。被選挙権付与は見送る」と説明した。「永住外国人」は日本在住10年以上の外国人が申請できる。
「永住外国人の地方参政権を求める4・16緊急東京集会」の様子。約500人が参加(16日午後、憲政記念館で筆者撮影)
この問題をめぐっては民主党のなかでも議論が大きく割れている。推進派と慎重派が別々に勉強会を重ね、党分裂の火種ともなりかねないと見る向きもある。赤松氏も推進議連のメンバーで、他に鳩山由起夫幹事長、前原誠司副代表らも名を連ねている。
赤松氏によれば、小沢一郎代表は「議連でしっかり議論して、党の方針に高めてから正式に提案しよう」と考えているようだが、党内若手からは「まだ議論が生煮えでは」と慎重論も根強い。
推進・慎重両派のすれ違いは続く? 左は推進議連の岡田克也副代表、右は慎重派の渡部恒三党最高顧問
推進議連は、外国人への参政権付与に慎重な渡部恒三・党最高顧問(元衆院副議長)らのグループにも配慮して受け入れられやすい法案を工夫している。「100点満点を求めて法案を作れば、残念だが今の党内力関係や、社会状況、国会状況では通らない」と赤松氏は見ている。
参政権付与に基本的に賛成している与党の公明党やほかの野党との協議は、さらに民主党案が固まってからのことになる。「(他党に)譲るところは譲ってでも、実現させたい」「とりあえず(国政参加問題は棚上げして)地方選挙に投票できるように」と被選挙権を落として投票権のみとした方向でまとめていく考えを示した。
この日の集会は、韓国の李明博大統領の訪日決定を受けて開かれた。国会議員72人(自3、公13、民41、共4、社8、日1、無2)、都・県会議員32人ら約500人が参加した。
一方、会場の外では、外国人参政権法案に反対する市民団体など4、50人が集まり、シュプレヒコールで反対の声をあげていた。