総務省が昨年12月に公立病院の経営改善を目指したガイドラインを示したのを受け、岡山県内の全18自治体病院が「公立病院改革プラン」策定の検討を始めている。 同ガイドラインでは、公立病院の役割を「採算性などの面から民間では困難な医療を提供すること」と規定し、今年度中の病院ごとのプラン策定を求めた。 プランでは、一般会計から法定範囲内での繰り出し後に黒字となる水準を目標に、3年以内の経営健全化を目指した具体策を盛り込む。 改革の選択肢として、病院単独での経営効率化▽2次医療圏単位での経営主体の統合などの再編▽地方独立行政法人化、民間譲渡、診療所化なども含めた経営形態見直し――などが示された。 これを受け、関係する14市町のうち倉敷市、玉野市、赤磐市、真庭市が内部組織を立ち上げ、本格的な検討を開始。残りの自治体も近く検討組織をつくるなどして策定作業に入る。 自治体病院の多くは、へき地医療や救急医療などの不採算部門を抱え、一般会計からの繰り入れを受けても赤字に陥っている。 県内でも例外ではなく、06年度決算は当時の21病院のうち13病院が赤字で、公的負担は計34億円に上った。黒字の8病院も負担金を引けば赤字となる。 自治体病院の赤字補てんについて、県市町村課は「市町村財政が厳しい中では限界があり、個々の病院で改善をしないと持続的な経営ができなくなる」とプラン策定の意義を説明する。 これに対し、7日の県議会総務委員会(久徳大輔委員長)で武田英夫委員(共産)は「各病院は公立病院広域化よりも医師確保策を県に求めている。財政論から病院をどうつぶすかの議論はやめてほしい」と苦言を呈した。 同課は「国や県が主導するものでなく、病院で将来見通しを考えてもらう」と強調。今年1月、関係市町村の財政、病院担当課長らでつくる「公立病院改革検討協議会」を設置しており、県の役割は「同プランがスムーズに作成できるよう、必要があれば市町村間の調整やアドバイスを行っていく」としている。