西日本新聞

船場吉兆 使い回し「制度化」 パートが運び料理人判断

2008年5月8日 13:41 カテゴリー:社会 九州・山口 > 福岡

 高級料亭「船場吉兆」(大阪市、民事再生手続き中)が、福岡市の博多店や天神店(現在は閉店)で刺し身やつまなどの食べ残し料理を使い回ししていた問題で、両店は使い回しを指示していたとされる湯木正徳前社長(74)が来店していない日も、日常的に使い回ししていたことが分かった。経営幹部だけでなく、企業全体のモラルの抜本的改善が求められそうだ。


 博多店の河合元子店長と前村政紀料理長は7日夜の会見当初、前社長が来店した際、「(食べ残しを)使いなさい」と指示を受けたときに使い回しをしていたと説明。前社長は昨年、2カ月に1、二度、来店していたという。しかし、会見が進むにつれ「(前社長が来店していない日でも使ったことが)あるかもしれない」と、日常的だったことを認めた。

 河合店長らによると、食器を洗う担当のパート従業員が常に手付かずに見える料理を料理人の元に持って行き、使い回すかどうか判断を仰いでいた。

 使い回しを認めない料理人もいたが、「前社長は雲の上の存在」(前村料理長)で、指示は「絶対的」との認識があったのに加え、「忙しい」などとして調理時間短縮のため現場の判断で続けられた。

 昨年10月、地場百貨店の岩田屋地下で食品表示の偽装発覚後も改善されなかった。

=2008/05/08付 西日本新聞夕刊=

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