来日している中国の胡錦濤国家主席は7日、各政党の幹部らと相次いで会談した。焦点のチベット問題では、各党幹部とも友好ムード演出のためか、遠慮気味に言及したり、一切言及しないといった慎重な対応が目立った。
自民党の伊吹文明幹事長は4月中旬に訪中した際には、胡主席にチベット暴動に関する情報開示などを要請したが、今回は「胡主席の指導力で民族が共生できる国として発展するのを願う」と述べるにとどめた。
公明党の太田昭宏代表は胡主席に「当事者対話を通して平和的な解決を願っている」と要請。胡主席は、中国政府がダライ・ラマ側と交渉を始めた経過を説明する一方、「ダライ側は中国国内の分裂、暴力、五輪破壊停止を守らないといけない」との立場を繰り返した。太田氏は6月初旬に訪中する意向を伝えた。
昨年12月に400人の訪中団を送った民主党はチベット問題を“封印”。小沢一郎代表は今年3月、チベット問題に関連し「中国政府、共産党政権が継続して政権であるためには解決しなければいけない問題だ」などと指摘したが、この日の会談では一切言及しなかった。【鵜塚健】
毎日新聞 2008年5月7日 19時45分(最終更新 5月7日 21時22分)