2007年05月16日

佐藤琢磨、スーパーアグリの驚異の週末を振り返る

Sato on Super Aguri’s amazing weekend

13日のスペインGPで佐藤琢磨は8位に入賞し、佐藤とスーパーアグリは21回目のレースにおいてチーム初のワールドチャンピオンシップ・ポイントを獲得した。

これはまさに佐藤が言ったようにチームにとって「本当に素晴らしい週末」となった。そして佐藤は2007年F1チャンピオンシップで最初にポイントを手にしたホンダエンジンを使うドライバーとなった。

スーパーアグリはシルクイート・デ・カタルーニャでのレース前テストで有望な走りを見せ、よい兆しはあった。佐藤は「テストではバルセロナ専用の多くのエアロキットを評価しました」と語る。「ボディワークのフェアリング、エンジンカバー、新しいリア・ウィング、新しいフロア、それにホンダの新しいギアボックスなどでした。とても満足しましたし、僕らがとても競争力があることは嬉しい驚きでしたね」

不運にもテストの2日目は雨が降ったため、佐藤とチームは金曜日のフリー走行でさらに多くの空力パーツを評価しなくてはならず、パフォーマンス走行をするチャンスがなくなった。さらに気温がテストに比べ10℃も高く、セットアップの変更が必要となった。

それにもかかわらず、佐藤は自信をもって土曜日に臨み、最後のフリー走行後は予選の準備は十分だと感じていた。彼は華々しくスタートを切り、Q1では10番目に速かった。簡単にQ2に進出し、2度目のQ3進出も簡単そうに見えた。「Q2の最終走行に賭けるつもりでいました。でも、残念なことに最初の走行後に燃料ピックアップ・トラブルが発生し、ピットに戻ることができず、予選は13番でした。10分の数秒は速くなるはずでした。接戦になったと思いますが、Q3にも挑戦できたでしょう」

ヤルノ・トゥルーリのトヨタがスタートに失敗しリスタートが必要になったので、13番の佐藤は12位になった。しかし、この12位はルーベンス・バリチェロとジェンソン・バトンのホンダにラインを奪われてすぐに13位になった。するとジャンカルロ・フィジケラのルノーがターン9でコースを外れるというドラマが起こる。2台のホンダはフィジケラを追い越し、佐藤もこのときフィジケラを抜いた。「彼のタイヤはダーティでした。彼はヘアピンに向かって順位を取り戻そうと必死になり、僕らはサイド・バイ・サイドになりました。その後僕は2台のホンダとジャンカルロの後ろを走らざるを得なくなりました」

「正直な話、最初の2スティントは苦戦していました。タイヤの空気圧の面でタイヤの力を最大限引き出すことができず、バランスが悪くてハンドリングが難しかったのです。レース序盤はオーバーステアで、タイムをロスしました。最初のピットストップで調整したのですが予想通りには機能せず、マシンのバランスは正反対にひどいアンダーステアになりました。ラップタイムもまだ上がりません。バリチェロとフィジケラに追いつくことができましたが、後ろにつくのがやっとでした。もちろんあきらめることなく攻め続けました」

結局バリチェロの2度目のピットストップが佐藤にとってレースを決めた。「ルーベンスがピットに入ったあと僕は激しく攻めました。そして僕自身のピットストップから戻ると、嬉しいことにルーベンスの前になっていました。プライム・タイヤをはいたマシンのバランスもよくなったので、また攻めることができるようになりました。1周1周が重要でした」

まさにその通りだった。ルノーは2台とも3回目のピットストップをする必要があり、フィジケラにも追いつきそうだった。今や9番手を走っている佐藤はポイント獲得の予感がした。「レースエンジニアのリチャード(・コネル)が、攻め続けろ、ルノーと競ってるんだと教えてくれましたが、僕はジャンカルロがどこにいるのかわかりませんでした! 1秒1秒が重要でした。僕はターン12で、ジャンカルロがピットに入ったと無線で聞きました。ピットを過ぎてもジャンカルロは見せません。どこにいるんだろうと思ったらピットレーンの出口に彼がいて、サイド・バイ・サイドになりました。僕の方が勢いがあったので、一瞬の差で僕が前に出ました。この瞬間は最高の気分でした。とてもエキサイティングでしたね!」

「僕が生き残るチャンスはとても少なかったのですが、もちろんこれは純粋なレースです。最初の周回では彼にすぐに追いつかれたので、このときは全力を尽くしました。でも2〜3周したらギャップを維持することができたので、本当によかったです」

そして佐藤は8位でフィニッシュラインを越え、スーパーアグリチーム全員が歓喜に沸いた。「最高の気分です。リーフィールドの限られたリソースで頑張ってくれたスタッフ、そして栃木のスタッフ、ホンダ、ファン、スポンサーのおかげです。みんなのことを誇りに思います」

至福のときを過ごした佐藤は、またすぐにフランスのポール・リカールで仕事に戻る。彼の地元モナコでの次戦に備えて、高ダウンフォースの空力パッケージをテストをする予定なのだ。「今年の目標はポイントを獲得することでした。この最初の段階は無事達成できました。これを上回るのは難しいのですが、もちろん挑戦します」

-Source: The Official Formula 1 Website


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