「スーパー聴覚高齢者の秘密」
そもそも、なぜ難聴になってしまうのでしょうか? 最新の調査で、加齢よりもはるかに大きな原因があることが明らかになりました。
最新の大規模調査では、70歳を過ぎても20代の若者に匹敵する聴力を持つ“スーパー聴覚高齢者”が、およそ4%いることがわかりました。このスーパー聴覚高齢者の生活を詳しく調べてみたところ、難聴を進めてしまう、驚くべき事実がわかってきたのです。
有毛細胞は、毛の下に細胞の本体が存在し、別名「ダンス細胞」とも呼ばれます。ダンス細胞にはその名のとおり、音楽に合わせて、まるでダンスをするかのように伸び縮みする性質があります。この働きによって、小さな音でも聞き取れるように、音を増幅させていたのです。
有毛細胞は常にダンスをしているため、大量のエネルギーを消費します。そのため、エネルギーを供給する血管に異常が起こると、有毛細胞が十分に動けなくなってしまいます。このことが、難聴の大きな原因だったのです。
難聴発症の危険因子
下記のような人は難聴の発症リスクが高まります。注意してください。
- 高脂血症(脂質異常症) 発症リスク1.9倍
- 糖尿病 発症リスク3.7倍
- 腎臓病 発症リスク5.9倍
高脂血症の場合、血管の動脈硬化が進み、耳の毛細血管にも障害が起きやすくなります。また、糖尿病も毛細血管が傷つきます。腎臓の機能が落ちると、耳の毛細血管に障害を起こす物質を体外に排出する働きが落ちてしまうのです。
適度な運動や健康的な食生活など、生活習慣を改善することが、難聴の予防にもつながります。
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