2007年03月08日 13:00 [Edit]
Google Answersが負けた理由
GIGAZINEが単なる洋モノ紹介サイトだと思っている人は、こういう記事もあることを知っておいて欲しい。
力のこもった良質の記事なのだけど、それでも私はGIGAZINEの分析とは違う結論を出している。
Google Answerがなぜ負けたか?
私はこれにつきると思う。
Googleはなぜ「全自動化」できないサービスでは負けるのか?〜前編〜 - GIGAZINE■Google Answers失敗の理由その1「有料だった」
そう。GIGAZINE自身も「理由その1」に上げている。しかし数ある理由の一つとしてしか扱っていない。しかし私にはこれが理由としては必要にして充分に見える。
現時点において、ネットで商売するモデルには、以下の3つが考えられる。
- 情報を売る
- 広告を売る
- 利便性を売る
1は小は有料メルマガ、大はiTMSなどがある。2は一番多いモデルなので説明はいらないだろう。そして3はAmazonやeBayなど、いわゆるe-Commerceが全て入る。
そして見ての通り、1の成功例というのは、2と3と比べるとずっと少ない。そもそも1のモデルを選んだ時点で、Google Answersの勝率はぐっと下がった。
それでも、1の成功例は皆無ではないのに、Google Answersは「勝て」なかったのはなぜだろう。
1の成功例をよく見てみよう。これらの成功例は、実は今まで別メディアで売られていたものを電子化したものに過ぎない。有料メルマガは書籍の、そしてiTMSは音楽や画像の。見方を変えれば、これらは純粋な1ではなく、3との合わせ技と見ることもできる。そうやって見ると、純粋な1の成功例が本当にあるのか心もとなくなってくる。
このことは、人々が代価を払うということに関して、いかに保守的かということも示している。代価を支払うに当たっては、今まで支払ったことがある形体でないとなかなか踏み切れないのだ。書籍や音楽や画像は、その点「こういったものは代価を支払って入手するものである」という社会常識が長い時間かけて形成されてきた。Google Answersが扱ってきた「商品」は、まだそういったコンセンサスが形成されてはいなかった。
Google Answersは、まだ人々が売り物として認めていなかったものを売ろうとしたのだ。
それが失敗の原因である。
それでも、Google Answerが売ろうとしたものにこそ、本来の価値があるはずではある。Google Answersの中の人もそういう理念の元Answerしていたに違いない。しかし結果はこうなった。
ここから、実に以外な結論が得られる。
買い手は裸の価値を嫌う。宇宙が裸の特異点を嫌うように。
人々が本当に欲しいのは服の中身なのに、服を着ていないと手が出せない。
商人は、このことを肝に銘じておくべきだろう。
Dan the Blogger Too Afraid to Be Naked
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とかく社会とか経済について書くときは何か物理学等の単語を持ちこむとそれっぽくて格好よいものです。
>それに嫌ってるんですか?
これは「宇宙は裸の特異点を嫌う」全体で1つの言い回しなのでしょうがないと思います。
情報を売る商売が成り立ちにくいのは、中身を見せずに価値を納得させるトリックが困難だから。
はてなは、やっぱり負けているの?