失敗サービスその1「Google X」
「Google X」とは、「Google Labs」にて実験がされていたもので、公開は2005年3月15日。Googleの検索画面がまさしくMac OS XのDock機能と同じ動きをする、というものだ。Mac OS Xのデスクトップ画面同様、カーソルを当てるとアイコンが浮き出す。これは、Googleの画面にてDock機能を楽しんでもらおうとリリースした機能と言われている。
Google Xを開発したソフトウェアエンジニア、Chikai Ohazama氏は、Google Xのリリース時に同社のブログにて大々的に発表した。しかしなぜか、このサービスはたったの一日で公開中止となり、公開ページもすぐに消されてしまった。事情については明らかにされていないが、著作権関連の問題で使用停止の要求が出たとの説が強い。
現在の状態
現在、「Google X」を公式に使用できる場所はない。しかし、ミラーサイトは存在しており、インターネットから消え失せた訳ではない。
失敗サービスその2「Google Answers」
「Google Answers」は、2002年に試験的にリリースされた有料のQ&Aサービス、例えるなら「Google版人力検索」だ。このサービスを運営するにあたって、米Googleでは、調査・回答のスペシャリストとして500人ものリサーチャーを雇った。
しかし、どのような質問にも対応すべく各種方面から集められたリサーチャーではあるが、寄せられてきた質問に解答するには、ある程度の時間がかかったらしい。にもかかわらず、出した解答に対するリサーチャーへの報酬が低かったということもあり、そこが「Google Answers」のビジネスとしての失敗につながったいう説が有力だ。
「情報そのもの」への課金をベースにビジネスを組み立てるのは、さすがのGoogleにとっても難しいことだったのだろう(参考:404 Blog Not Found:Google Answersが負けた理由)。
Google Answers へのアクセスは徐々に減少し、結果、2006年11月にアーカイブ入りとなってしまった。
現在の状態
Google Answers時代に「優良回答者(ex-Googleと呼ばれていた人々)」として活動していた人々が、「Uclue.com」というサイトを立ち上げ、同じようなサービスを行っている(有料)。
他には、「はてな」が提供する「人力検索はてな」で、ポイント制を利用して細かい情報交換が可能だ。また、無料で人力検索をしたい、という場合には現在米国には「Yahoo! Answers」というサービスがある(2005年12月)。なお、日本では2004年4月に「Yahoo! 知恵袋」がリリースされた。わざわざプロを雇って有料にしなくても、サービスを進化させるのはツールとユーザーの二人三脚なのではないだろうかと考えさせられる例でもある。