アクアプラネット通信 水と緑と暮らしのネットワーク
 
 
 深刻化する中国の水質汚濁問題の解決を図る「日中水環境パートナーシップ」の一環として、日本政府は2008年度予算で1億9300万円の調査等支援事業費を計上、浄化槽システムを活用した生活排水対策などのモデル事業に着手することになった。

 下水道などの汚水処理施設や工場排水処理施設の整備が遅れている中国では、経済活動の活発化と水需要の増大などによって近年、河川、湖沼、地下水、海洋などの水質汚濁や水不足などの水環境問題が深刻化している。特に、国民の健康に直結する飲用水源などの水質保全が緊急の課題となっている。

 「日中水環境パートナーシップ」は、水環境分野における国際貢献の視点に立って2006年度からスタートし、河川の水質実態調査などが進められた。2007年4月の日中環境保護協力の強化に関する共同声明で水質汚濁防止に関する協力が盛り込まれたことから、それまでの調査結果を踏まえて飲用水源地周辺などの重要水域に適した水環境管理体系の整備や日本の水管理技術の適用可能性調査などを実施することになった。

 活用が期待される日本発の水環境管理技術としては、合併処理浄化槽技術やコミュニティプラント、膜による汚水処理技術などが挙げられている。事業計画では、向こう4か年でモデル地区における水環境保全整備事業などを進める。
2008年3月10日月曜日
中国の水環境改善に浄化槽技術活用