首脳会談、中国側の思惑は外れる
「両国の間により良き未来が開けるものと信じています」。共同会見でこう語った胡錦濤主席でしたが、今回の首脳会談は、中国にとって決して実りの多いものではありませんでした。 中国側は6日夜の非公式夕食会で、死んだリンリンの代わりとして雄雌のパンダ2頭を貸し出すことを約束したほか、7日の首脳会談でも、日本が提唱した地球温暖化対策の枠組みについて初めて共同声明に調印しました。 しかし、日本側に期待した「中国支持」については、福田総理が北京オリンピックの成功を祈ると述べただけで、開会式への出席については確約を得られませんでした。 また、世界的に批判を浴びているチベットの暴動鎮圧では、福田総理からダライ・ラマ側との対話に踏み切った決断は高く評価されましたが、暴動鎮圧そのものについての支持は得られませんでした。 「日中関係の今後の発展に共通認識を持てたことが重要だ」(中国外務省、劉建超 報道官) いずれにせよ今回の首脳会談は、国際社会からの批判が強いなか、何とか打開を図りたいという中国の思惑通りにはいかなかったようです。(07日15:52)
|