洞爺湖の花火、サミット中はどうなる?
北海道の洞爺湖温泉で毎晩行われている名物の花火大会。この花火を、今年7月に行われる洞爺湖サミットの期間中も続けるべきか、それともやめるべきか、地元の人たちが頭を悩ませています。 北海道の洞爺湖温泉の名物、ロングラン花火大会。10月までの半年間、毎晩400発の花火が夜空を彩ります。 「毎年、見に来ている」(札幌からの観光客) 「わざわざ予定を合わせて来た」(大分県からの観光客) 27回目を迎えるこのイベント。地元の人たちにとって忘れられない歴史があります。 1977年、近くにある有珠山が噴火。温泉街は閉鎖され、噴火がおさまった後も客足は遠のきました。そんな町に、もう一度活気を取り戻そうと始めたのがこの花火大会でした。 町の復興を支えた花火。しかし、サミットを前に、悩ましい問題が持ち上がっています。各国の首脳が訪れ、厳しい警備が敷かれるサミット。サミットの期間中も花火を打ち上げるとしたら、400発もの火薬を、首脳が集まるメイン会場の近くまで持ち込むことになります。厳重な警備の中、それが許されるのか。そして、期間中も花火を続けていいのかどうか、外務省や北海道から何の連絡もありません。 「もうとっくに(花火の)話が出てこないとおかしい時期」(ホテルの関係者) 「サミット期間中も打ち上がるんですか?という問い合わせはあります」(洞爺湖温泉観光協会、金子信之 事務局長) 期間中の警備の影響を心配する人はほかにもいます。警察では、湖の上の警備を行うため、民間のモーターボートを借り上げることも検討しています。しかし、貸しボートの業者にも花火と同様、期間中に営業を続けていいのかどうか何の連絡もありません。 「ハッキリとまだ全然わからないんです。できるのか、できないのか・・・」(貸しボートの業者) 洞爺湖温泉名物の花火。地元の町長は、警備による自粛より、踏み込んだ考えも持ち始めていました。 「環境問題などが取りざたされているときに、そういうの(花火)はどうなのかなと」(洞爺湖町、長崎良夫 町長) 「みんな楽しむもんだし、いいと思うんやけどね」 「日本の観光施設が年間通じて(花火)やっていることを、世界に見てもらうのは問題ないと思う」(観光客) サミット開催まであと2か月。地元には歓迎ムードが日増しに広がっています。しかし、生活や商売への影響など本当に知りたい情報は伝えられないままで、時は刻々と過ぎています。(07日18:14)
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