北京市内で始まった歌舞伎と昆劇の日中合同公演で、カーテンコールに応える坂東玉三郎(中央)=6日夜(共同)
歌舞伎俳優の坂東玉三郎が挑戦する歌舞伎と中国の伝統芸能「昆劇」の初の日中合同公演の初日が6日夜、北京で行われ、満員の客席から「素晴らしい」と歓声が上がり、劇場は大きな拍手に包まれた。
観客の譚致さん(59)は「男性が演じているとはまったく思えないほど動作が女性そのもので、本当に美しかった」と、感動した様子で話した。
公演終了後に玉三郎は「公演を行う夢を描いて20年、あっという間にこの日が来た。あこがれの中国に身を置いて学べたことが幸福だった。観客の評判を聞きながら、今後の舞台を務めたい」と話した。
上演されたのは、令嬢と書生の数奇な恋愛を描いた昆劇の代表作の一つ「牡丹(ぼたん)亭」と、京劇の振りを取り入れた舞踊「楊貴妃」。牡丹(ぼたん)亭で、玉三郎は「上演に向けて一番難しかった」という中国語のせりふや歌を、見事にこなした。