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人間の頭脳、ついに敗れる…将棋ソフト、アマ名人下す

2008年05月05日

 千葉県木更津市で5日開かれた「第18回世界コンピュータ将棋選手権」(コンピュータ将棋協会主催)のエキシビションマッチで、朝日アマ名人の加藤幸男(ゆきお)さん(26)とアマ名人の清水上徹(しみずがみ・とおる)さん(28)というアマチュアトップ2人が将棋ソフトと対戦し、ともに敗れた。アマのタイトル保持者が公開の場で将棋ソフトに敗れるのは初めて。

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将棋ソフトと対戦する加藤幸男朝日アマ名人(左)

 世界コンピュータ将棋選手権は将棋ソフト同士が実力を競う大会。3〜5日に40チームが参加して開かれ、「激指(げきさし)」が3年ぶりに優勝、「棚瀬将棋」が準優勝した。エキシビションでは、加藤さんが棚瀬将棋と、清水上さんが激指と対戦した。持ち時間は15分、無くなると1手30秒未満で指すルール。加藤さんは攻め倒され、清水上さんは中終盤の競り合いで負けた。

 コンピュータ将棋協会の滝沢武信会長は「予想外の結果。これまで勝てなかったアマトップに勝てたことは歴史的なこと」と驚いた様子。加藤さんは「完敗です。清水上さんもがっぷり四つで負けた。コンピューターが強くなった」と話した。

 将棋ソフトの実力向上はめざましく、今後10年以内にトッププロに追いつくとされている。昨年3月には「Bonanza(ボナンザ)」が渡辺明竜王に善戦して話題になった。日本将棋連盟は05年10月、プロ棋士が無断でソフトと対戦することを禁止している。

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