臨時休業を知らずに訪れる客の姿も見られた=名古屋市港区のイタリア村で2008年5月7日午後0時41分、大竹禎之撮影
名古屋市港区の商業施設「名古屋港イタリア村」を経営する株式会社名古屋港イタリア村は7日、東京地裁に自己破産を申請し、事実上経営破たんした。実質的な親会社のセラヴィリゾートも同日までに東京地裁に会社更生法を申請。帝国データバンクによると、負債総額はイタリア村の170億円など関連計約530億円。
株式会社イタリア村はセラヴィグループが75%出資するなどして04年に設立。05年4月には、名古屋港管理組合の所有地を15年間借りる形でイタリアの街並みを再現させた商業施設「名古屋港イタリア村」を開業した。
初年度は愛知万博との相乗効果もあり、入場者数は約435万人を記録。2年目には169万人に急減、施設内店舗の物販不振もあり07年2月期は10億円以上の赤字決算に陥った。今年3月には施設内木造建物の市条例違反も発覚、経営悪化に拍車がかかった。
セラヴィリゾートは94年2月に設立。居酒屋チェーン「北の家族」などを次々に子会社化して飲食事業を拡大。03年6月期の売上高は124億円にのぼったが、金融機関などからの多額の借入金が生じていた。
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イタリア村の田中肇社長は、従業員約300人を同日付けで解雇したことを明らかにした。「(経営譲渡に名乗りをあげている)いづみや総本社が継続して運営できるようお願いしたい」と述べた。【安達一正、米川直己、木村文彦】