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【社会】

『パンダ利用』反応複雑 上野来園者 チベット・レンタル料…

2008年5月7日 夕刊

 中国の胡錦濤国家主席が貸与を表明したジャイアントパンダの受け入れ先とされる東京・上野動物園。先月三十日にリンリン(雄)が死に、三十六年ぶりにパンダ不在となっていただけに来園者からは七日、歓迎の声が上がった。一方、園側は「(日中両首脳の)共同会見があってから」とコメントを控え、慎重な姿勢をみせた。

 同園にはゴールデンウイークの最中のリンリンの死後、連日大勢の来園者がパンダ舎を訪れ、六日までの記帳枚数は一万千八百七十枚に達した。中国側からの新たなパンダの貸与の意向には、ファクスや電話、メールで「ありがたい」という反応が届く一方で「繁殖目的とはいえ、レンタル料が高いのではないか」「パンダがいなくてもいいのでは」といった批判的な意見も多数寄せられたという。

 来園者の意見もさまざま。二歳の孫の女の子を連れて来た台東区の原田和男さん(66)は「複雑だ。チベットの問題などを抱えている中国からパンダを借り受けて手放しで喜んでいいものか。福田首相も人気がない中で、日中双方の首脳が、パンダを利用しているような感じも受ける。子どもは喜ぶだろうけどね」と冷ややか。品川区の高橋和夫さん(23)も「いなくても仕方ないとも思う。(レンタル料は)一億円もかかるんですよね」と話した。

 動物園表門前で一九七五年から名物「パンダ焼」を販売する土産物店「桜木亭」。リンリンの死後も連休中のパンダ焼の売れ行きは、一日約八千個と例年通り好調という。女性店員の一人は「パンダがいなくて残念というお客さんの声も多かったので、新しいパンダが来るならうれしい」と話していた。

 

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