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千年伊勢山台官衙遺跡/川崎市の重要史跡に指定
- 文化・芸能
- 2008/05/07
川崎市は、千年伊勢山台官衙(かんが)遺跡(高津区)を市重要史跡に、万福寺遺跡群(麻生区)の出土品を市重要歴史記念物に指定した。現物や模型を中原区の市市民ミュージアムで公開展示している。
官衙遺跡は七世紀末から九世紀初頭の遺跡で、一九九六年に宅地造成をきっかけに発掘された。麻生区の一部を除く同市の大部分と横浜市北東部をつかさどっていた「武蔵国橘樹(たちばな)郡衙」の跡とされ、県内最古の正倉の跡が見つかった。
保存に向け市は三月、全面に土と芝生を敷いて解説板も設置した。七月に「たちばな古代の丘緑地」としてオープンする。同月十九日には同緑地を含む市内の遺跡五カ所をまわる記念イベントを開催する予定。
万福寺遺跡群の出土品は、縄文時代草創期前半の隆起線文土器や石槍(いしやり)、石斧(せきふ)など千点を超える。二〇〇一年から〇二年にかけて発掘された。多摩丘陵では最古となる資料とされ「狩猟生活や土器と石器の製作技術などを解明でき、学術価値が高い」(市教育委員会)という。
市教委は「一万数千年以上前に暮らしていた祖先の生活や高度な技術を感じてほしい」と話している。問い合わせは、市教委文化財課電話044(200)3306。
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