安曇野市で昨年7月、無職女性を殺害し現金などを奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた住所不定、無職、徳田治被告(47)の判決公判が30日、地裁松本支部であった。荒川英明裁判長は「利欲的な動機に酌量の余地は全くない」と求刑通り無期懲役を言い渡した。さらに「刑法では仮釈放が認められているが、特段の事情が認められない限り、終生矯正施設に置くことが相当だ」との異例の所感を付け加えた。
判決によると、徳田被告は昨年7月17日、同市豊科南穂高の無職、丸山かをるさん(当時87歳)方に侵入。石で頭を殴り殺害、現金約5万円入りの財布を奪うなどした。
丸山さんの長男勲さん(62)は「被告は法廷で薄笑いさえ浮かべ、反省の姿勢がなかった」と批判した。
有識者らでつくる地方更生保護委員会の判断で仮釈放となる可能性がある。法務省保護局は毎日新聞の取材に「裁判官の意見は材料の一つになる」と述べた。【渡辺諒】
毎日新聞 2008年5月1日 地方版