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サイクロン死者2万人不明4万人 2地域で国民投票延期

2008年05月07日12時06分

 【バンコク=山本大輔】ミャンマー(ビルマ)の国営放送は6日、最大都市ヤンゴンなどを直撃したサイクロンによる死者が2万2千人を超え、行方不明者は4万人にのぼっていると報じた。強風と豪雨に加えて高波も発生し、犠牲者を増やした。サイクロンの被害としては、バングラデシュで約14万人が死亡した91年以降、最悪になった。

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5月5日のミャンマー最南部の画像=NASA提供

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4月15日のミャンマー最南部の画像=NASA提供

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 軍事政権は5日、国際社会からの支援受け入れを表明。近隣国からの救援物資の輸送などが始まった。だが、幹線道路の多くが寸断されているうえ、連絡が取れない地域も依然多く、犠牲者は増える可能性がある。

 軍政によると、被害はエヤワディ管区にある都市ボガレイ(人口約10万人)に集中。1万人以上が死亡したという。同市はデルタ地帯にあり、4メートル近い高波で家屋の95%が倒壊した。

 ヤンゴンの被害も死者671人、行方不明359人に拡大。被災地では停電、断水が続き、人びとの健康状態が悪化している。

 一方で軍政は6日、被害が激しいヤンゴン、エヤワディ両管区を除いて被災地指定を解除。10日に予定されている新憲法案の是非を問う国民投票については、ヤンゴンとエヤワディでは24日に延期するものの、それ以外は10日に実施すると発表した。

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 【ワシントン=勝田敏彦】2日夜から4日朝にかけてミャンマー(ビルマ)を襲ったサイクロンによる大洪水を、米航空宇宙局(NASA)の地球観測衛星テラがとらえた。洪水の前後を比べると、ミャンマー南部の広い範囲が水につかっている様子がわかる。NASAが6日、公表した。

 被害の中心は同国を北から南に流れる大河エヤワディ川がつくった三角州(デルタ)地帯で、画像のほぼ中央に同国の最大都市ヤンゴンがある。4月15日の画像には三角州の川筋がくっきりと写っているが、被災後の5月5日の画像では三角州のかなりの部分や沿岸地域が水につかっている。ヤンゴンも水にほぼ囲まれている。

 今回は赤外線と可視光の観測を併用し、通常では撮影が難しい洪水の泥水の画像を鮮明にとらえた。99年12月に打ち上げられたテラは、NASAの主力地球観測衛星。観測装置の開発には日本も協力している。

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