旅
ラジ アナウンサー日記 |
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水谷彰宏(旅
ラジ アナウンサー) |
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春に三日の晴れなし、と言いますがまさに今回のシリーズは雨の中を80ちゃん号が走り抜けました。晴れ男を自称する私としては去年1年の80ちゃんの旅で傘をさしたのは2回か3回でしたが、今回は4日のうち3日が雨でした。
そこは雨降って地固まる、あるいは水もしたたるいい男ということで…。
今回のふるさとサポーターはさいたま放送局の結城さとみアナウンサーと井田理枝子リポーターでした。 |
4月7日(月) 坂戸市 女子栄養大学 ゲスト 岸朝子さん
埼玉シリーズの初日は女子栄養大学に大学の大先輩を迎えました。岸朝子さんです。昭和17年卒業で、その後子育てをして、雑誌記者になり、70歳を過ぎて活躍の場はテレビにも広がりました。「おいしゅうございます」の美しい響きには拍手が起こりました。もともと料理を習うつもりで入ったら、学校では栄養学などの専門的な授業があって驚かれたとか。学んだことを実践され80を過ぎた今でも骨密度は50歳代だとか。メタボを気にしている身にとっては、身の引き締まるお話でした。岸さんが提唱して70グラムの野菜5皿と100グラムの果物2皿を毎日摂取してもらおうと作った「ベジフルミュージック」という音楽があるのですが、大学ではこの音楽に合わせた体操も考案され紹介しました。
ふるさとメッセージには大学の祭りの「若葉祭」と坂戸市の祭りの「坂戸よさこい」の案内をしてもらいました。
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4月8日(火) 越谷市 越谷レイクタウン
越谷市に新しい町が誕生しようとしています。越谷レイクタウンです。3月には駅も開業し、あちらこちらでマンションや大型ショッピングセンターなどが建設中です。その中心にあるのはレイクタウンの名前通り大きな池です。もともとは防災用の調整池ですが、この水辺を住民の憩いの場にしようといろいろ計画がたてられています。山本裕隆さんは人工の浮島を市民の手で作ろうと提案し、久川雅大さんはアクセスディンギーというヨットを浮かべて三世代のコミュニケーションを図ろうと提案しました。新住民が世代を超えてこのレイクタウンをふるさとにしていこうと動きがまさにこれから始まります。どんな街になっていくのか、そして池がどんな役割を果たしていくのか。これからが楽しみです。
メッセージには越谷の新しい味と音が登場しました。味は「鴨ネギ鍋」。そして音は「水カンリンバ」。缶の中に水が流れる楽器で、人によってその水の音がいろいろに聞こえるのです。
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4月9日(水) 小川町 埼玉伝統工芸会館
秩父山系に囲まれ、比企丘陵にある小川町。周囲の山々は花から緑に変わろうとしていました。前の日の雨に洗われ、実に様々な色を見せてくれていました。この変わらぬ自然の中で小川町では千年以上手すきの和紙の技術が受け継がれてきました。「細川紙」です。この地に紙すきの技術を伝えたお坊さんの生れ故郷から細川の名前が付いたそうです。この細川紙をすき続けて60年の島野元彦さんをお迎えしました。さらにもうおひとかた、比企丘陵の草花を使って染めものを作っている高柳君江さんにもご登場いただきました。自然を相手に物作りをしているお二人のお話によると、モノづくりの心は「見本通りにいかなくてもいい」「こどもの心で素直に」ということでした。今の時代にこそ必要な心だと思いました。
名産、名物がならぶ「はつらつ朝市」と、この地域の特産「のらぼう菜」がメッセージに登場しました。春満喫のメッセージでした。
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4月10日(木) 川島町 川島農産物直売所
都心から40キロの距離にありながら駅がなく、訪れにくかった川島町ですが、圏央道に川島インターチェンジができ、一挙に近くなりました。これからどう町を売り込んでいこうかというアイデアの先陣を切ったのが「すったて」です。もともとは「すりたて」が変化したもので、ゴマをすり、味噌をすり、なかに季節の野菜をふんだんに入れ、だしでのばしてそこにそうめんやうどんを入れて食するこの土地独特の家庭料理でした。この日は渋谷静さん香住さんご夫妻に作っていただきました。
ゲストの宮下成和さんは名古屋出身、結婚して、この川島にやってきたのですが、この料理に注目し、町の名物にしました。こんな家庭料理がなぜ、と思っていた皆さんを見事に説得したのです。好評の「すったて」に始まり、さらにこれから川島を「都会に一番近い農村」としてアピールしようと川島の皆さんは頑張っています。ゴマをすりながら、ゴマすり抜きに「すったて」はおいしゅうございました。
メッセージにはこの川島の自然を楽しむハイキング大会の紹介。そして、農産物直売所に野菜を納めている生産者の代表の方にも出演していただきました。ふるさとサポーターの結城アナと番組のチーフプロデューサーは新鮮さにひかれてずいぶん野菜を買い込んでいました。
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