2008/05/06

新生銀行が振込手数料改変

ポスト @ 23:21:53 | Finance

新生銀行が振込手数料実質無料回数3回を同一条件では1回に7/1から減らすことにした。振込手数料実質無料回数が無制限から始まったこのサービスだったけど、ついに1回まできてしまったわけだ。この条件を月5回に増やすためには「1. 前月残高200万円以上」または「2. 投資信託 / 外貨預金 / 仕組預金の前月残高が30万円以上」を達成する必要がある。では、この条件を達成してでも新生銀行で振込手数料実質無料回数を維持すべきかどうか検証してみよう。

まず、残高200万円を円普通預金で維持するのはお奨めしにくい。新生銀行は残高200万円だと年利0.2%だが、住信SBIネット銀行のイートレ専用預金やシティバンクのeセービングなら年利0.5%である。また、新生銀行は毎月利息がつくため1円未満の切り捨て額が年に2回の他行に比べて大きくなる。以下は200万円を1年間預けた場合の税引後残高推移であるが、住信SBIネット銀行が200万円を1年間預けると8,008円の利息がつくのに対して新生銀行は3,204円にしかならず、4,804円もの差額になるのであれば住信SBIで一回150円の振込手数料を払ったほうが年間でお得な人が多いだろう。

新生銀行と住信SBIネット銀行の普通預金推移比較

同様に、残高200万円を新生銀行の円定期預金で維持するのもお奨めしにくい。以下は100万円以上1年円定期預金の金利上位5行と新生銀行の比較である。

銀行名 1カ月 6カ月 1年 3年
日本振興銀行 0.8 1.4
オリックス信託銀行 0.65 0.8 1.0
イーバンク 0.46 0.66 0.78 0.67
ソニー銀行 0.435 0.648 0.775 0.778
ジャパンネット銀行 0.48 0.67 0.77 0.65
新生銀行 0.25 0.27 0.35 0.5

日本振興銀行で200万円を1年円定期預金すると税引後12,800円の利息がつくものの新生銀行では5,600円で、差額は7,200円となる。

投資信託はSBIイー・トレード証券などのネット証券のほうがたいてい手数料が安いし、外貨預金もイーバンクや住信SBIネット銀行のほうが金利も良いし為替コストも安い。となると円仕組預金だが、10年間で考えると国内の金利は上昇の可能性が高いためパワーステップアップ預金は通常の定期預金よりも損をする可能性が高いし、これ以上のドル安は短期的には進まないと考えるとパワード預金は悪くはないけど元々がハイリスク商品なので、ニュー パワード・ワン が無難ではある。

とは言え、100万円を日本振興銀行の3年円定期預金にすると税引後33,600円の利息なものの、ニュー パワード・ワン 3年間だと税引後19,200円、日本振興銀行の5年円定期預金にすると税引後60,000円なもののニュー パワード・ワン 5年間だと税引後35,200円なので、かなりの回数の振込みを行う人以外は振込手数料だけのために ニュー パワード・ワン を選ぶと損をする。ただし、振込手数料実質無料回数5回の最低ラインである30万円だけ預けるとすると、日本振興銀行やオリックス信託銀行は100万円以上でしか預けられないため ニュー パワード・ワン のほうが良くなる。ニュー パワード・ワン は50万円が最低額なので50万円で計算すると、50万円をイーバンクの3年円定期預金にすると税引後7,800円、ニュー パワード・ワン 3年間だと税引後9,600円、イーバンクの5年円定期預金にすると税引後14,200円、ニュー パワード・ワン 5年間だと17,600円となる。

(ニュー パワード・ワン に)50万円を5年間預けられるけど(日本振興銀行に)100万円を3年間預けられないというごく限られた人以外は、振込手数料を抑えるために新生銀行に預金するのは総合的には損をする可能性が高い。よって、新生銀行から乗り換えるというのが手数料という面ではほとんどの人にとって有利という結論になる。他行振込手数料が無料な銀行または安い銀行は以下のとおり。なお、地方銀行や信用金庫 / 信用組合までは網羅できていないので、もしこれ以上に安いところがあれば教えてほしい。

銀行名 手数料 備考
新銀行東京 月10回まで無料 預金残高100万円以上など。11回目以降は210円
新生銀行 月10回まで無料 預金残高2000万円以上など。11回目以降は300円
新銀行東京 月5回まで無料 6回目以降は210円
住友信託銀行 月5回まで無料 無期限キャンペーン。6回目以降は3万円未満で210円、3万円以上で420円
新生銀行 月5回まで無料 預金残高200万円以上など。6回目以降は300円
イーバンク 月3回まで無料 給与口座にすること。4回目以降は160円
新生銀行 月1回まで無料 4回目以降は300円
りそな銀行 100円
みずほ銀行 105円 3万円未満の振込み。みずほマイレージクラブ入会
住信SBIネット銀行 150円
ジャパンネット銀行 168円 3万円未満の振込み
ジャパンネット銀行 262円 3万円以上の振込み
みずほ銀行 315円 3万円以上の振込み。みずほマイレージクラブ入会

新銀行東京と住友信託銀行は平日夜間などにATM手数料がかかるのでお財布としては使いにくいところがあるし、イーバンクにいたっては入出金合わせて月間1回しか無料でないのでさらにお財布としては使いにくい。結局、お財布代わりの銀行と振込用の銀行を分けるのが今の選択肢だろうか。

そうなるとボクの場合はイーバンクがすでに給与(の一部)振込口座になっているので、振込用銀行はイーバンクを引き続き使う予定である。お財布用の銀行として新生銀行を生かすかどうかだけど、お財布用として使いやすいかどうかは提携ATM数とその手数料によるだろう。新生銀行でATM手数料無料なのは新生銀行 / 都市銀行 / セブン銀行 / ゆうちょ銀行 / 都市銀行管理のE-netなどのコンビニATMだ。ただし、都市銀行のATMと都市銀行管理のコンビニATMは平日21時から翌日8時までと土日祝日17時から翌日9時までは取扱い休止で、いくら手数料を積もうとも1円も引き出せない。地方銀行のATMと地方銀行管理のコンビニATMにいたっては終日取扱いができない。

一方、たとえばみずほ銀行のみずほマイレージクラブ会員だと、ATM手数料無料なのはみずほ銀行 / セブン銀行 / E-net / ローソンATMだ。土曜22時から翌日8時まではセブン銀行 / E-net / ローソンATMは使えないが、他行ATM手数料を払えば地方銀行でもほとんどの時間帯で引き出せる。まとめると、新生銀行はみずほ銀行に比べて都市銀行すべてとゆうちょ銀行でも手数料無料というメリットはあるけど、取扱い休止時間が長く、地方銀行は完全不能というデメリットがあるということだ。

個人的には、夜中にお金が必要でセブン-イレブンを探しまわったり、地方出張のときにE-netの管理銀行シールを覗いては地方銀行でしょんぼり……という経験が少なくなかったので、みずほ銀行の土曜22時から翌日8時以外は少なくとも手数料さえ払えばどこでも引き出せるというメリットはそれなりに魅力に感じる。ボクはみずほ銀行のみずほマイレージクラブ口座を引落し用口座としてすでに使ってるんで、新生銀行から全額撤退してみずほ銀行をお財布用兼引落し用口座にしようかな。

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