天皇陛下は7日午前、皇居・宮殿で国賓として来日した中国の胡錦濤国家主席と会見した。天皇陛下が国賓の中国国家主席と会見するのは、98年11月の江沢民国家主席(当時)以来、約10年ぶり。
宮内庁によると、天皇陛下と胡主席は20分近く会談した。胡主席が「陛下はトキにご関心をお持ちと聞いています。中国では繁殖に成功し、1000羽に達しております」と述べると、天皇陛下は「それはよいことですね。日本では一時期、絶滅するのではないかと心配されていましたが、今では保護が進んでおり今年は日本でも放鳥の計画があります」と答えた。
また、胡主席が「上野動物園のパンダのリンリンが亡くなって残念です。共同研究用にパンダのつがいを提供することにしました。日本の青少年、特に子供たちに見ていただきたいと思います」と話すと、天皇陛下は「子供たちは喜ぶと思いますよ」と応じたという。
これに先立ち、皇居・宮殿前の東庭では歓迎行事があり、胡主席は儀仗隊(ぎじょうたい)の栄誉礼を受けた。【真鍋光之】
毎日新聞 2008年5月7日 10時56分(最終更新 5月7日 12時43分)