Vol.60 ウイルス対策に関する意識調査−知識の不足は致命的
2008年4月11日
週末起業ビジネスの多くはインターネットをフル活用して展開します。ネットやPCをビジネスで使うとなると、データのバックアップやウイルス、セキュリティといった面での対策が不可欠となります。個人が趣味で利用するのとは異なる感覚が求められますので、注意が必要です。その面での知識はかなり浸透しているとは思われますが、まだまだ問題は多いようです。
2006年4月26日付けの日経流通新聞MJ7面に、小規模事業者を対象としたコンピュータウイルス対策への意識調査結果が紹介されています。これは情報通信機器販売のフォーバルが従業員数20人以下の小規模事業者を対象に行なった調査で、それによると「コンピューターウイルス対策をしている企業は64.6%」にとどまるとのことです。週末起業家も「小規模事業者」の範疇に属するので、この記事の内容は興味深いです。
経営者の年代別の調査結果も紹介されており、セキュリティ対策をしている経営者は「30代以下では74.1%なのに対し、60代以上は58.3%」とのことです。年齢が高いほどセキュリティ意識が遅れていると記事は指摘しているのですが、あなたの意識はどうでしょうか。この記事を読むと高齢者が悪者(?)のように扱われていますが、若年層に問題があるとする調査結果も公表されています。
2006年4月28日付けの日経産業新聞3面に、情報処理推進機構(IPA)による情報セキュリティーに関する意識調査の結果が紹介されています。それによると「若年層ほどウイルス感染などの被害を経験した率が高い一方、危機意識は低く有効な対策を講じていない実態が浮き彫りになった」とのことですから、先ほどの記事とは対照的です。
この調査結果によると「ウイルス感染被害を経験したことがある」と答えた回答者の平均が42.5%。十代では57.4%と、平均を大きく上回っています。その他、ウイルス感染を「脅威に思う」、セキュリティ対策ソフトを導入した、と答えた回答者の率も、十代の水準が最も低かったとのことです。
意識の低さは高齢層も若年層も同じようですが、いずれのケースも知識の不足が原因となっていると考えられます。週末起業を始めると、ウイルスやスパムメール等、脅威にさらされる機会は飛躍的に増大します。知識の不足が取り返しのつかないことにつながることも十分あり得ますので、注意が必要です。
-
ニュース解説:森英樹
戦略経営コンサルタント、ビジネスコーチ 急成長中堅企業で最年少事業部長を経験した後、その優れた経営センスとシステム感覚を活かすべく、コンサルタントに転身。スキルアップと自立を目指す個人を対象としたサービスに着目し、戦略経営コンサルティングで培ったノウハウを活用してコーチング及び起業支援事業に取り組む。(株)アンテレクト取締役副社長。
著者は「起業のネタ!」他。