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農作業用の筋力補助スーツ開発
このニュースのトピックス:救急搬送受け入れ問題
北海道大大学院情報科学研究科の田中孝之准教授と消防用車両開発のモリタ(大阪市)、農業技術開発のリープス(札幌市)が、中腰の作業が楽にできるよう腰への負担を軽減する電動の「スマートスーツ」を開発した。来年にも農作業用のスーツを実用化するほか、将来的には介護作業への応用なども検討している。
スーツはシャツと半ズボンが合体した形で、背中などにゴム製バンドが入っている。腰を曲げるとセンサーが感知し、体の負担が最小になるようモーターが自動的にゴムを伸縮。中腰の状態では肩を後ろから引っ張る力が働き、楽に姿勢を保てるという仕組みだ。
農作業は腰への負荷が大きく、腰痛持ちの人も多い。メロン収穫時にスーツを着用した場合、腰や背中の筋肉疲労が約14%軽減され、長時間作業が可能になったという。
手足などに装着し力を強化する「ロボットスーツ」も開発が進められているが、高額の上、大型で特定の動作以外では邪魔になる場合がある。スマートスーツは着ても自由に動けるのが特徴。バッテリーを含め総重量約1・2キロと軽く、作業服の中に着ることも可能。価格は10万−20万円に抑えるという。
田中准教授らは「スマートスーツ研究会」も設立。農作業用や救急搬送作業用の商品開発を進めるほか、他の分野で実用化を目指す企業も募っており、「ひざなどほかの筋肉も同様の仕組みで補助できる。工場労働や介護作業などさまざまな分野へ応用していきたい」と話している。