先々週の土日は、やはり聖火リレーの行方が気になった。
成田に無事到着したとの速報でさえ、新幹線車内のニュースに流れるぐらいだから、日本の多くの人が注目をしていたのは確かだ。聖火リレー当日も、各局が、朝からワイドショーでライブ中継した。
聖火ランナーも、野球五輪チーム日本代表を率いる星野仙一監督以外の79人の走行順は事前には公表されず、スタート地点だった善光寺が突然辞退を発表。チベットへの人権抑圧に対する抗議団体が長野に集結しはじめているとの情報が流れるに従い、厳戒体制の中に包まれていった様相は、はからずも世界の中の日本を感じる機会にもなった。
結果として、長野での聖火リレーは、一部で逮捕者を出したものの、大きな混乱がなく、韓国へ移送された。
とはいえ、北京までの聖火リレーの道のりはまだ長い。無事に到達するのか、まだまだ予断を許さない。
ところで、一部の読者は知っているだろうが、北京オリンピックのトーチのデザインは、PCメーカーのレノボのデザインによるものだ。
レノボは、中国系企業としては、初めてオリンピック・パートナー・プログラムに参加した企業であり、今回のトーチデザインにも積極的に取り組んできた経緯がある。
「Cloud of Promise(誓いの雲)」と呼ばれるこのトーチは、300を超える応募作品の中から選ばれたもので、レノボでは「中国の建築、絵画、家具、小説などの芸術作品にもよく登場している雲を、デザインのモチーフとし、スマートで現代的なデザインと、中国の歴史的なシンボルとを融合させた」と語る。
中国を発祥とするレノボにとっては、まさに同社が持つDNAを発揮できるデザインテーマだったといっていい。
だが、世界各国での混乱でも明らかなように、皮肉にも、そのトーチが標的の対象となっている。
あるレノボ関係者は、「各国でのニュース映像を見るたびに寂しい気持ちになる」と心境を明かす。
渾身のデザインを施したトーチが、政治的な活動のターゲットとなっているのは忍びないだろう。
「レノボそのものが狙われている気すらする」というのも、レノボ関係者にとっては当然のことかもしれない。