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コメの収穫性を決める遺伝子を特定、生産性向上に一役買うか

  • 2008年05月05日 17:41 発信地:パリ/フランス
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インド・コルカタ(Kolkata)郊外の田んぼ(2008年4月22日撮影)。(c)AFP/Deshakalyan CHOWDHURY

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【5月5日 AFP】中国の研究チームが、コメの収穫性を決定付ける遺伝子を特定したと、4日の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)に発表した。

 コメの生産性は穀粒の数と大きさ、イネの背丈、開花時期の3要素が指標となってきた。過去の研究で、これらの要素に影響を及ぼす遺伝子が「第7染色体」であるらしいことが分かっていたが、武漢(Wuhan)にある湟中農業大学(Huangzhong Agricultural University)のチームがこのほど、この遺伝子を特定した。

 チームはイネ3万株を植えて追跡調査した。穀粒が少なく小さい、背丈が低い、開花が通常よりも早いなど「生産性が低い」とされるイネ1082株について調べたところ、「Ghd7」と呼ばれる遺伝子が不足していたことがわかった。

 そこで、これらのイネにGhd7を注入したところ、開花までの時間が2倍に延び、背丈も3分の2高くなるなど、生産特性が変化したという。

■Ghd7は気候に応じて変化

 チームは次に、北は日本から南はフィリピン、ミャンマー、インドまで、アジアの19種のコメにおけるGhd7の特性について調査した。その結果、Ghd7に5つの型が認められた。

 この型は気候と関連しており、冷涼で収穫期が短い地域ではGhd7が不活性化してイネの開花を早め、逆に日照時間が長く温暖な地域ではGhd7が活性化して開花を遅くし、収穫性を高めていることが明らかになった。

 チームは、Ghd7の型を生産地の気候に合わせて作り変えることで、コメの生産性を高めることができるとしている。

 地球人口は現在65億人だが、21世紀半ばまでには90億人に達することが予想されていることもあり、コメの収穫量を上げることは人類の至上課題となっている。(c)AFP

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