2008年05月07日 更新

巨人・原監督怒り心頭…ミス続出で堅守の虎に完敗

四回、小笠原が痛恨のタイムリーエラー

四回、小笠原が痛恨のタイムリーエラー

 (セ・リーグ、巨人4−8阪神、7回戦、阪神5勝2敗、6日、東京ドーム)これが力の差なのか。GW最終日、今季最多4万5663人の大観衆の前で原巨人が完敗だ。ヤクルトに3連勝した勢いも、首位を走る猛虎には通用しなかった。

 「(高橋尚は)もう少しできるピッチャーです。もう少し投げてほしいね…」

 原監督は背信投の高橋尚に手厳しかった。

 開幕投手を任せたベテランが阪神戦2戦2敗。二回に今岡に一発を浴び、味方に同点にしてもらった直後の四回には4本の長短打と犠飛で勝ち越し点を奪われた。なおも一死二、三塁のピンチで指揮官はあっさりと降板を命じた。今季最短で先発投手を見限った。

 それでも負の連鎖は止まらない。2番手の西村健は投手のアッチソンに適時打を許し、小笠原は一塁正面のゴロをトンネルするタイムリーエラー。この四回の計5失点が致命傷となった。

三回には亀井がけん制に飛び出しアウト。ミス続出では上位チームには勝てません(撮影・安部光翁)

三回には亀井がけん制に飛び出しアウト。ミス続出では上位チームには勝てません(撮影・安部光翁)

 これだけではない。三回には同点適時打を放った亀井がけん制で刺される(記録は盗塁死)など、ミスが続出。復調気配の打線は今季初の先発野手全員安打で、安打数は阪神の13本に対し、12本とほぼ互角なのに、ノーミス&堅守の阪神に4点差で完敗した。これで虎に3連敗。まさに野球の精度の違いだった。

 今季3度目の5割挑戦はまたも失敗で、借金生活が続く。「知ってたよ。オレだって、それくらい」。怒り心頭の原監督が東京ドームから引き揚げたのは、試合終了から1時間6分たってから。心を静めるのに普段より30分以上もかかった。7日は今季阪神戦2戦2勝の木佐貫が先発。リベンジを信じるしかない。

(牧慈)

★今季最短四回…尚成、5失点KO

 先発の高橋尚が虎打線につかまった。四回途中で6安打5失点。「調子自体は悪くなかったけど、シンカーがもう一つだった…」。3回1/3は先発陣の中で今季最短降板。「(三回に)味方が得点した後だから、代えられても仕方がない」と肩を落とした。

★好調ゴン、特大弾

 好調のゴンザレスが2号2ランを放った。1−6の四回に阿部の適時打で1点を返し、なお無死一塁でアッチソンの変化球をバックスクリーンに運んだ。ベンチ前では同じベネズエラ出身のラミレスと歓喜のポーズを披露。「コンパクトに振ろうと思ったらあそこまで飛んでいった。夏場になれば、もっと調子が出ると思うよ」と素直に喜んだ。

■ジャイアンツダイアリー

 今年3月に現役を引退した巨人OBの桑田真澄氏(前パイレーツ)が東京ドームを訪れた。同球場を訪れるのは06年11月23日のファンフェスタ以来、1年半ぶり。試合前の練習時にグラウンドに姿をみせ原監督にあいさつすると阿部や木村拓ら元チームメートと談笑。試合は阪神に敗れてしまったが「みんなと会うのも久しぶりだし、懐かしかったですね。きょうは負けてしまったけれど、上原くんや由伸くんたちが戻ってくれば、きっと上がってくる」と目を細めて話していた。