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ページ更新時間:2008年05月06日(火) 23時48分

中国・胡錦濤国家主席、来日の狙いは

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 中国の国家主席が、実に10年ぶりに来日しました。外国訪問で日本だけを訪れるのは異例のことです。餃子、ガス田、チベットと微妙な問題が山積みの中、日本訪問の狙いはどこにあるのでしょうか。
 今年3月14日、北京で行われた日中の青少年交流イベント。日本の若者と積極的に触れ合う胡錦濤国家主席の姿がありました。

 しかし、ちょうど同じ日。チベット自治区では中国政府に対する抗議デモが暴動に発展。武力鎮圧に対する国際社会の中国批判が一気に高まります。

 「私の今回の訪日は『暖かい春の旅』と言えます」(胡錦濤国家主席)

 中国に対し、厳しい視線が向けられる中での訪日。人権問題では、欧米に比べ批判のトーンが低い日本で、何らかの中国支持を取りつけ、国際世論を好転させるきっかけにしたい思惑があります。

 中国の指導部に近い専門家はこう指摘します。
 「福田首相がオリンピックの開会式に出席すれば日中関係の発展が促進できます」(専門家)

 ヨーロッパなどで相次いだ開会式ボイコットの動き。日本が福田総理の参加を表明すれば、悪い流れをとめることができるという期待です。

 「日本が胡錦濤主席の暖かい春の旅に注目」。このように中国でも大きく報じられていて、今回の訪問に対する期待が高まっています。

 チベット弾圧をめぐる欧米からの中国批判に激しく反論している中国メディアも、胡錦濤主席の訪日を友好ムードで盛り上げています。

 「今回の訪日で日中友好を促進し、関係を正常化できると思います」(北京の女性)
 「福田首相はオリンピックを支持しています。訪日に期待しますし両国民にとって良いことですよ」(北京の男性)

 しかし、日中間には解決の兆しが見えない懸案があります。日中の捜査当局の間で見解が対立したままの毒入り餃子事件。中国が一方的に開発を進める東シナ海のガス田問題。今回の訪日でも進展は難しいと見られています。

 そんな中、先週、上野動物園のパンダ、リンリンが死亡。中国得意の「パンダ外交」の可能性が浮上します。餃子やガス田での歩み寄りが期待できない状況の中、中国がパンダの貸し出しを表明することで日中友好を演出。国際社会での中国のイメージ改善を狙うことも予想されます。(06日18:03)

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